あなたの「コミュニケーションデザイン」次第で顧客はいい人にも悪い人にも変身する
対人関係は、環境・文脈依存で決まるという性質があります。
いい人は、常にいい人ではなく、いい人になる相手や環境があるということです。
僕の友人にすごく分かりやすく変貌するヤツがいます。
ビジネスホテルで、エレベーターが混んでいてすぐに到着しないと「チッ、遅ぇんだよ」と悪態をつくのですが、そんな彼も、ラグジュアリーホテルではジェントルマンな態度で待つことできるのです。
それどころか、子ども連れの家族がいると、子どもに笑顔で手を降ったりと、ビジネスホテルの彼とは全く別う、わざとらしいほど紳士な顔を見せるのです 笑
僕は商売家で育ち、「対人関係の文脈依存性」を経験的に知っていました。僕の家の電話は、会社と兼用でしたので、お客様から色んな電話がかかってきます。中には「新聞が間違っていた」といったクレームもあります。
親がいない時は、僕が自転車で届けるのですが、そこではできるだけ「人間臭い」接客を心がけました。
当時…1980年代後半は、ファミレスなど、大手が地方に進出を始めた時期で、大手特有の折り目正しいマニュアル化された接客に憧れる人が多くいました。
僕も、それに見習い「大変申し訳ございませんでした。今後、このようなことがないよう、改善いたしますので…」と言ったことがあるのですが、かえってお客様が横暴になることに気付いたのです。
それよりも「いや〜、本当にすみません」とダサい接客をした方が、お客様は「大変だけど頑張って」と人間味のある態度になるのです。
顧客との関係性には親密度の段階があります。
1、取引だけのドライな関係
2、挨拶や世間話をする関係
3、応援し合える関係
4、同じものを目指す同志の関係
僕が高校時代に経験したのは「1→2→3」の変遷です。あるお客様は僕の進路を心配してくれて、「受験がんばれ」と応援をしてくれました。
新聞店のスタッフにも3の関係にまで進んだ方がいます。
当社では、かれこれ25年ほど、毎月、手づくり新聞を発行しています。その中の1つのコーナーを女性パートさんに書いてもらっていました。内容は、大好きなファンモンのことや、息子さんのことなど、100%プライベートなことです。
ある日、信じられないことが起こりました。
手づくり新聞には、ずっと、息子さんがバレーボールに打ち込む様子を成長記録のように書いていました。小学校の頃から地域のチームに入り頑張っていること。中学でもバレーを続けてくれて嬉しかったこと。レギュラーになったこと。部長になったこと。
そして、中体連の県大会がかかった試合が控えていること。
県大会の出場が決まる試合に、なんと、会ったこともないお客様が応援に来てくれたのです。
その方が一生懸命に応援してくれる姿が嬉しくて、思わず涙がこぼれたと言っていました。
関係性の親密度が高まると、自社のミッションに共感し、自分事として関わってくれる人…「4」の親密度の人が現れます。
当社では、15年以上、「100年先に残したい、地域の人やコト」というテーマでクラフト市を開催していますが、企画から当日の運営まで、当社の思いに共感した地域の方がボランティアで関わってくれています。
僕は、この経験から、このように友愛に満ちた心の状態以上に豊かなものが人生にあるのだろうか、とさえ思っています。
今、あなたの会社は顧客とどの関係段階にいるでしょうか?
その親密度を上げるためには、あなたのコミュニケーションを、それに相応しいものに変えることだと思います。
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