ルールをメンバーが自分たちで決められない組織に欠けている「1つの視点」
「社内ルールは自分たちで決め、定期的に更新する」…これが最も「良い」ルールの決め方だと考えています。
この話に同意してくれる人は多いのですが、その理由は人それぞれです。
最も多いのが「その方がルールを守るから」という理由です。確かにその効果はありますが、その考え方の背景には「ルールを守らせたい」というコントロールの意図があるように思えます。
別に悪い考え方ではないし、メンバーも納得すると思いますが、ちょっと消極的で固い印象を受けるのです。
僕は、ルールを自分たちで決める理由を「自由になれるから」と考えています。
他者がルールを決めるのは確かに楽ではありますが、「物事を自分で決める」という愉しさを奪います。
その状態は自由ではありません。
また、誰かが決めた外在的なルールに従い従うと、「ルールに書いていないのだから」という理由で、とんでもないことをしでかす輩が出てしまう危険性があります。
という理由で、僕はルールは自分たちで決めてもらった方が良いと考えているのです。
リーダーがそう考えている方が、社員の自律性は高まります。
そして、結果的にルールのクオリティにも好影響を及ぼします。
これは指示ゼロ経営の基礎となる考え方なので、もう一度確認したいと思います。
トップダウン経営の場合、「決めるのはリーダー」→「実行は部下」という手順で組織運営がなされますので、「決める」ところに部下が参画することはありません。リーダーが決めたプランの「一部分」を部下が「やらされる」という構図になります。
当然、内発的なモチベーションは生まれませんので、アメとムチの使い分けが必要になります。
指示ゼロ経営では、ルールだけでなく経営計画など様々な場面に社員が参画します。
理念や大まかな方向性をリーダーが示したら、それについて自分の考え方を述べ、対話を重ねます。
自分の部署の計画も、大きな模造紙を使いみんなが参画して作ります。人は参画した分だけ物事を自分事にします。自分事になると、プランに対するオーナーシップを持ち、実行レベルが上がりますし、実行した結果を気にするようになりますでので、振り返りと改善もしっかりとやるようになります。
このあり方が身につくと、当然、高い成果を手にしますが、それは成果を出すために愉しむのではなく「自由な環境で愉しんだから高い成果を手にした」という因果関係で成り立っているのです。
何よりも貴重なことは「自由」は、それ自体に、何の目的もなくても、人生にとってかけがえのないものだと考えています。
ちなみにルールを自分たちで決めると、最終的にどうなるでしょうか?
それは「ルールが要らない」という状態になるのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。