「助け合わない」原因は、本人の資質ではなく環境に原因があると疑うべし
以前に、興味深い出来事がありました。
ある企業では、仲間同士助け合わないという問題を抱え社長が悩んでいました。
相談を受けた時に、僕が真っ先に疑ったことは「過度な成果主義があるんじゃないか?」ということです。
社内に競争原理が働き、社員さんが全体の利益よりも自分の利益を優先してしまうと考えたのです。
しかし、調べるとそうではない。
原因は現場の社員さんに聞き分かりました。
非常にシンプルな理由が分かったのです。
「困っている仲間が分からない」…誰が困っているかが分からないのです。
そこで、一定以上に仕事が溜まったり、アイデアがなくて困っている場合、「ヘルプサイン」を机の上に掲げるようにしました。
その日から助け合いが起こりました。
指示ゼロ経営では、「人は自分の意思でのみ動く」を大前提にしています。
そして、意思決定するためには情報が必要です。
「人は誰かの指示命令ではなく情報をもとに意思決定する」これが最も重要な考え方です。
指示ゼロ経営では、様々な方法で情報化を行います。
例えば、個人の進捗と全体の進捗がひと目で分かる仕組みを作ります。
まず、チームとしての目標、その実現までのシナリオをみんなの知恵で考えます。
次に、「誰が何をやるか?」…役割分担を自分たちで決めます。
それを下記のように、模造紙に貼り出します。
そして、自分の役割を達成した人は右側の枠に付箋を移します。
これがあるだけで、全体と個々人の進捗が分かり、効果的な助け合いが起こり仕事がものすごくスムーズに進むのです。
従来のトップダウンの組織では、個々人が何をやるかは上司が把握していました。
そして上司がコントロールセンターとなり部下に指示を出しチームの仕事を進めていきました。
それが指示ゼロ経営では、全員が見えるようにします。
このスタイルで仕事をすると…
□早い
□上司の限界を超えたアイデアが出る
□悩みを抱えるメンバーの回復が早い
□仲間の支えがあるという安心から挑戦意欲が高まる
□上司は楽になる
多くのメリットがあります。
是非、社内の仕組みとして取り入れてみてはいかがでしょうか?
「人は環境の子」という有名な言葉がありますが、様々な問題の根本原因は「情報が開示されていない」という環境にある可能性が高いのです。
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