人間の生理学的な宿命である「絆を深めると組織が馬鹿になる」をどう防ぐか?

30代の時に、経営の大先輩から「良いことは良いことか?」という話を聞きました。
禅問答のような問いですが、良いことの積み重ねが経営や人生を蝕むことがあるということです。

その1つが今日のテーマである「絆」です。
ある環境下で絆をつくると組織がおかしくなることがあるのです。

独裁国家やカルト教団を維持するためには、「自分たちは正しい」という思い込みを作る必要があり、そのためには情報統制が欠かせません。

独裁的な経営者の中にも、「社員に余計な知恵を与えない方がいい」と考える人が多くいます。
外部の情報を知ると、「ウチはおかしいんじゃないか?」と気づいてしまうというわけ。

これは独裁者のもとでのみ起きる問題ではありません。
昨年、経済産業省が公表した「未来人材ビジョン」の中に、「日本企業は人に投資せず、個人も学ばない」という身も蓋もない項目があります。

独裁化・カルト化しやすい土壌があるということです。

外からの情報が入らないことによる弊害は、三人寄れば文殊の知恵の逆…「集団浅慮」(集団バカ)が起きることです。
2023年の不祥事企業筆頭の、例の大手中古車販売会社がまさにこれに当たります。
外部の人間から見れば信じられないことを平然とやってしまうのです。

閉鎖的な文化のまま絆が深まると集団バカに拍車がかかります。
絆は、幸せホルモン「オキシトシン」が影響していると言います。オキシトシンは、人と人の結びつきがある時に分泌され、幸せを感じるそうです。その結果、絆や仲間意識を作り出すと言われています。
しかし、同時に平等であることを求め、「出る杭を打つ」ようになるのです。

生理学的に人間がそうできているのだから、集団バカを防ぐのは大変だと思います。

ここまで読み、「そういう組織もあるんだ」と他人事に思っていたら危険です。
集団バカになっていることは、当事者はなかなか気づかないのです。

□外部で学ぶのは社長や経営陣だけで、社員が学んでいない。
□集団の秩序を維持することが最優先になっている。
□人前で褒められることを嫌う社員が多い。
□会社以外に交流の場がない社員が多い。

上記に当てはまる場合、集団浅慮が始まっているかもしれません。
積極的に外部の情報を入れたり、外部の人に入ってもらうことをお勧めします。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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