「責任は私が取るから自由にやってくれ」で成功する社長と失敗する社長
不祥事が起きた時に、よく「現場の判断でやった」と言って炎上する企業があります。
最近、メディアを騒がせている例の中古車販売会社もそうでした。
潔さの美学を持つ日本人には受け入れがたい態度なのだと思います。
度々、当ブログに書きますが、責任には3種類あります。
1、果たす責任
2、取る責任
3、取らされる責任
まさに、例の会社の社長は、記者会見で3をやってしまったのです。
企業においては、法的、金銭的な最終責任は社長にあります。
2の取る責任は代表取締役にしかできません。
だから、「責任は私にあるのだから、全てを私のトップダウンでやる」というのは筋が通った話です。
ところが、世の中には「責任はすべて私が取るから思いっきり自由にやってくれ」という社長がいます。
僕の新刊で事例紹介した、靴のインターネット販売を手掛ける「株式会社ザカモア」の西村拓朗社長も明確にそう言い切ります。
よほど肚が据わっていなければ言えないひとことです。
「責任は私にあるのだから、全てを私のトップダウンでやる」
「責任はすべて私が取るから、思いっきり自由にやってくれ」
リーダーが口にするこれらの言葉を、社員さんはどう感じるでしょうか?
これが微妙なのです。
日本人は「上がしっかりしてくれなくちゃ」と考える傾向が強いと言います。
水戸黄門の印籠も、大岡裁きも好きなのです。
だから、トップダウンを受け入れる人が多いのです。
一方で、画一的な管理に対する嫌悪も広がり、多様性や自由、個性を大切にする風潮が熟してきました。
自立した人は確実に増えています。
「責任はすべて私が取るから、思いっきり自由にやってくれ」という言葉を意気に感じ、責任ある仕事をする人が増えていると感じます。
僕のブログを読んでくれている方は、そういう感性を持った方が多いと思います。
しかし、自由を享受するのは簡単ではありません。
自由と好き勝手の分別が欠かせません。
株式会社ザカモアには、その分別があります。
西村社長は社員に自立を求めます。
自立した人は、リーダーの「責任はすべて私が取るから、思いっきり自由にやってくれ」という言葉に対し、「では責任を果たします」と返します。
果たす責任とはどんなものでしょうか?
指示ゼロ経営では、「やり抜く責任」と定義しています。
自分たちで決め→行動し→行動を振り返り→次の行動を考え決め→行動し→(繰り返し)
この一連を継続することが責任を果たすことだと考えているのです。
自由の宣言は、自立を求めることとセットで成り立つのです。
ザカモア社では、「感動をつくる」という理念のもと、「仕事を愉しむ」をポリシーにしています。
「楽しい」とはニュアンスが違います。
自立した個々が協働して感動創出をやり抜いた時…仕事そのものから愉しさを感じることができるのだと思います。
というわけで、今日も素敵な1日をお過ごしください。
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