偶然の出来事から未来を拓くためには、計画に縛られる経営から脱却すべし
「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、何事も気持が熱いうちに取り組むことが大切だと思います。
面白いアイデアを思いついたのに、スケジュールが詰まっていたりして、動かないでいたら熱が冷めてしまったという経験はないでしょうか?
企業において、気持が熱いうちに行動するためには、これまでの計画重視の経営を見直す必要があると考えています。
気持が熱くなるようなアイデアは、何かのキッカケで「偶然」降ってくることが多いものです。
スティーブ・ジョブズの評伝「Steve Jobs」の中に、ジョブズ氏の言葉として次のようなものが紹介されています。
創造性は何気ない会話から、行き当たりばったりの議論から生まれる。たまたま出会った人に何をしているのかを尋ね、うわ、それはすごい、と思えば、いろいろなアイデアが生まれてくる。
計画重視の経営では、そもそも「行き当たりばったり」などという事は許されません。
(僕は「行き当たりバッチリ」と呼んでいます)
もし、雑談などで、面白いアイデアが出ても、計画に縛られていたら実行せずにお蔵入りになるでしょう。
計画重視の経営はゴールを設定したら、寄り道などせずに、黙々と目的地に向かうような進め方をしますので、道端に落ちている「偶然」を見逃してしまいます。
偶然から伝説が生まれた事例として、「感動のトースター」で有名な、バルミューダのトースターの開発秘話があります。
同社はある日、近所の公園でバーベキュー大会を行いました。あいにく土砂降りの雨でしたが、思い出になるという理由から決行することにしました。ある若い社員さんが炭火でトーストを焼いたところ、中身はしっとり、外側がカリカリの美味しいトーストが焼けたそうです。
美味しさの秘訣を解き明かそうとしていた時に、ある社員が言いました。「あの時、すごい雨が降ってましたよね?」
答えは水分の加減だったのです。
それから、試行錯誤を繰り返し、実に4000枚ものトーストを焼き、一番おいしく焼けるアルゴリズムを突き止めました。
もし、計画に縛られていたら、「あの時のトーストは美味しかったな〜」とセピア色の思い出になってしまっていたかもしれません。
指示ゼロ経営では、計画書は模造紙と付箋で作ります。
最近では、メンバー間で共有できる付箋のアプリを使う企業が増えています。
付箋は貼り替えることができるので、変化や偶然の発見に応じ、速やかに計画を変更することができます。
計画書(模造紙)には、次の3つを盛り込みます。
1、現状
2、理想の状態
3、現状を理想に変える方法
詳しくは、僕の著書「賃金が上がる!指示ゼロ経営」の第4章に詳しく解説していますので参考にして下さい。
偶然を拾いながら、変化に即応する経営は中小企業でないとできません。
逆に、それをしないと変化に対応できなくなります。
行き当たりバッチリの行動学を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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指示ゼロ経営マスタープログラムでも今日の内容を学べますので、興味がある方は下のバナーからチェックしてみて下さい。