「キレイゴトだ」と一蹴されがちな”個性が活きる経営”を実装する方法を真剣に考える
10月に東京で行う出版記念イベントの内容を考えています。
東京開催のテーマは「”個性が輝く経営”のキレイゴトを実装する方法」です。
その人の能力や性質に適した地位や任務を与える「適材適所」はよい組織をつくる上で欠かせない考え方です。
しかし、これがなかなか難しい。
適材適所を難しくする最大の要因は、「自分特有の能力や性質」…才能が分からないことだと思います。
才能は、持っている本人にとっては当たり前過ぎて、才能と気づかないことが多いのです。
才能を見つける方法はいくつもありますが、僕が最近、注目しているのが、マサチューセッツ工科大学のエドガー・H・シャイン教授が提唱する「キャリア・アンカー」という概念です。
アンカーとは碇(いかり)のことです。
彼は、長きに渡る教授生活の中で、卒業生の、「その後の人生」を多く見てきました。
そこで、あることに気づきます。
多くの人が、何度か転職をします。選ぶ職業は様々ですが、自分の軸みたいなもの(アンカー)があるという発見です。
例えば、アンカーの1つに「社会貢献」があります。このアンカーを持っている人は、何度、転職をしても、利益追求型の企業ではなく、社会起業的な会社やNPOなどに就く傾向があると言います。
このことから見えてくることは、自分のアンカーを見つけたければ、色んなことを経験するのが良いということです。
やじろべえは、左右に振れることで中心軸に落ち着きますが、それと同じように、「あれをやり、これをやり」と揺れると、アンカーが観えてくるのだと思います。
僕の周りにはそういう人がたくさんいます。
話を適材適所に戻します。
適材適所が実現するためには、次の3つの要件が必要だと考えています。
1、自分のアンカーを知ること
2、仲間のアンカーを知ること
3、大まかなビジョン、方向性があること
適材適所を料理で例えると分かりやすと思います。
「今夜は、アジア風のカレーをつくる」と大まかな方向性を決めます。大まかである理由は、変化が激しい時代では描いた通りに行かないことが多いからです。方向性をだけを決め、柔軟に進むのが時代の作法だと考えています。
メニューの方向性を決めたら、冷蔵庫を開けて、今ある食材で具体的なメニューを決めます。
そこで、「私はジャガイモができる」と、自分の役割を知っていたら、ことはスムーズに進みます。あるいは、仲間が「君はジャガイモだよ」と指摘することも有効です。
アンカーは、自分の人生を棚卸しすることで観えてくることがあります。
過去の出来事を振り返り、ヤジロベーのように、あっちに行ったりこっちに行ったりした経験から、自分の中心軸(アンカー)を探り、仲間と共有するのです。
これが適材適所の実務だと考えています。
ブログの最後に…
エドガー・シャイン教授は、多くの卒業生を観てきた中で、もう1つの気づきを得ていました。
それは、みんな卒業直後は、高い地位や肩書、収入を目指し頑張るのですが、やがて「自分らしくあること」…アンカーを生きることに意義を見出す傾向が強いということです。
適材適所は、幸せな人生につながる素晴らしいあり方なのだと思います。
さて、出版記念イベントin東京では、専門家をゲストにお招きし、「個性が輝く経営」を実装する方法を学びます。
10月7日(土)オンライン参加も可能です!
↓詳細は下のバナーをクリックしてね。