進化論を基に、長期に繁栄する企業のあり方を考える
経営が上手く行っていない時は、もしかすると思考が短期視点に陥っているかもしれません。
支払いやお給料の支払いは毎月ですのですし、決算は1年単位です。
どうしても社長は短期視点に陥りやすいのです。
すると、短期的には得なことでも、長期で損をする「得して損をする」ということが起こります。
僕のところには時々、非常に「嫌な」営業パーソンが来ます。
明らかに「影響力の武器」のノウハウを使いこなすのです。
ご存知の方も多いと思いますが、世界的な名著と言われているもので、心理学をもとにした「相手をコントロールする技術」が満載です。
優秀な営業パーソンたちは、僕が、断れないようにその技術を駆使するのです。
話術が始まると、追い詰められるようなストレスを感じます。
逃れる方法は簡単です。
「影響力の武器をお読みですよね?」と聞くとやめてくれます 笑
その営業パーソンは、目先の利益のために、信頼関係という長期に渡る利益の源泉を失うのです。
市場が拡大する時代ならともかく、人口が減り、市場が縮小する時代には損な経営だと思います。
どうしてそんな営業をするのか?と聞いたら、賃金が成功報酬型なので、無理をしてでも頑張らなければ生活ができないと教えてくれました。
賃金体系を変えなければ、やがて倒産すると思います。
さらに聞くと、成果が出れば仕事が楽しいが、出ないと辛いと言っていました。
仕事そのものは愉しくないのです。
「人間の理」に適った経営をすべきだと思います。
人間は親切をする生き物です。
家族やコミュニティ以外の個体に親切にするのは人間だけだそうです。
カリフォルニア大学のマイケル・E・マカロー教授は、そのことを進化論の見地から紐解きました。
著書、「親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか」によると、人類は他者に親切にすることで、信頼という資本ができ、やがて自分が得をすることを学習したと言います。
だから、無理なく他者に親切ができるように、親切をすると喜びを感じるように進化したのだと思います。
人間の理に適った経営とは、働く人が仕事から幸せを感じる経営です。
社員の幸福度は、短期視点に陥っていないかを確認するリトマス紙になると思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。