「それ、私の仕事ですか?」…他人事スタッフの意識が変わるには

僕が社長をやっていて、社員から言われて嫌だった言葉があります。

「会社は…」という言葉です。
「会社としてはどうするつもりなんですか?」「会社はどう思っているんですか?」
現場で起きている問題に対しこう言われた時、「なんて他人事なんだ」と寂しさと怒り、焦りを感じました。

もっと嫌だったのが「それ、私の仕事ですか?」という言葉です。
当社は新聞販売店です。(僕はもう社長を引退しましたが)
大雪などの緊急時では、部署関係なく総出で配達に出るのですが、配達部門以外のスタッフの中にそう言う人がいました。

逆に、そういう時は、お客様から「まだ新聞が届かないんだけど」という問い合わせの電話がかかってきます。
こういう時に、「俺は事務部門じゃないのに、なんで電話に出なきゃいけないんですか?」と言う人がいました。

リーダーなら、これを言われた時のショックは分かりますよね?
仕事をお願いする方も嫌だし、相手も頼られなくなるので、自分の居場所をなくしてしまいます。

「私とあなた」「私たちとあなたたち」の壁があり、それぞれの世界で生きているのです。

大変なのはリーダーだけでなく、メンバーも同じです。
自分が困った時に誰も助けてくれませんから。

「それ、私の仕事ですか?」と言う人は、その不満をリーダーにぶつけ、リーダーが上手く収めて欲しいと依存します。
しかし、こういう風土ができてしまうと、リーダーが収めようと他のメンバーにお願いしても、同じように「それ、私の仕事ですか?」と言われてしまう…
悪循環にはまってしまいます。

当社が、この状態から脱却できた要因は全体交流にあります。
交流には、浅いものから深いものまであり、浅いものから始めるのが良いと考えています。

当社ではBBQ大会から始めました。難しい話はせず、とにかく交流だけをしました。

年に1回のBBQ大会と、忘年会、お花見があれば人間関係はできます。

そうしたら次は、自分がやっている仕事のことを共有します。

「これまで仕事で喜びを感じたことは?」
「大変だったこと、辛かったことは?」

交流をすると、自分のミスが相手の仕事に影響することが分かります。
自分の頑張りが、社内の仲間の喜びにつながっていることも分かります。
「それ、私の仕事ですか?」という態度を取ると、誰かに負担がかかることも分かってきます。

当社では、この繰り返しで「私とあなた」「私たちとあなたたち」の壁がなくなりました。
自分の仕事が終わったら、他部署にヘルプに入る社員が増えました。
ヘルプに入った社員が感謝されている姿を見た別の社員が、同じようにヘルプに入るようになりました。

気づけば、「それ、私の仕事ですか?」と言う社員はほとんどいなくなりました。
(ゼロではないが、それで良いのです)

この件から、僕が学んだことは、人は人間関係によって意識が変わるということです。
「人は人によって磨かれる」ということを実感したのです。

社内の仲間、顧客、地域社会…関係性を見直してみてはいかがでしょうか?

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