優れた人材は「自分で決めた事を口にする、文字にする」で育つ
よく、「いいか、大切なことだから1度しか言わないぞ」と言う人がいますよね。
しっかりと聞いて欲しいという願いを込めて言っていると思いますが、効果はありません。
この言葉には2つの間違いがあります。
1、大切なことは1度ではなく何度も確認した方が良いということ。
2、大切なことを喋るのは相手であるということ。
つまり、大切なことは、相手に何度も言ってもらうことで学習効果が高まるというわけです。
さらに、もう1つ、「なぜ大切なのか?」を自分で考えてもらうことで効果が高まります。
指示ゼロ経営には、「人は自分の意思でのみ行動する」という原則があります。自分の意思で決めたことを、何度も口にすることです。
さらに、文字にすると効果が上がります。
ここで1つ、問題があります。
まだ十分に育っていない人は、経験、スキル、多くの事例に触れてきていないので正しい判断ができないという問題です。
そんな時は、上司、リーダーの助言が必要ですが、これが難しい。
きっと、僕のブログをお読みの多くの方が、「押し付けにならないように」と気を遣っていると思います。
そんな時は、助言を与えた後に、この言葉を添えるのが有効です。
「でも、私の考えが正解とは限らない。参考に留めて、最後は自分で決めてね。あなたの決断を尊重するので」
自分で決めることができる=自律性を担保すると、アドバイスを有効活用してくれるようになります。
自律性が与えられると、ポジティブな意思決定をする確率も高まります。
フランス・ブルターニュ南大学での実験でこの効果が実証されています。
寄付を求める際に、「寄付するのもしないのもあなたの自由です」と言い添えると、寄付の確率が5倍ほどに跳ね上がりました。
以上のことを指示ゼロ経営に当てはめると、こうなります。
指示ゼロ経営では、チーム単位で課題を持ち、協働で仕事を進めます。
リーダーは、原則としてチームと対話します。
課題がある時は、チームメンバー全員がいる場で、課題を確認し、メンバー間の対話や学び合いを促します。
助言も、原則としてチームに対し与えます。
「最後は自分たちで決めてね」と言うと、メンバーは助言を活用し「さて、どうしよう?」と対話を始めます。
対策がまとまったら、紙でもデジタルでも良いので、文字にしてもらいます。
とても効果があるので、是非、実践して欲しいのですが、それは、あなたの自由ですので、自分で決めてね!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!