変化が激しい時代にトップダウンで命令を下すと現場が崩壊する

なぜ、経営者は社員に自分で考え行動して欲しいと願うのでしょうか?
いちいち指示するのが面倒くさいから?
単純に腹が立つから?(笑)
それもあると思いますが、僕は2つの理由があると考えています。

1つは、変化が早い時代、しかも何が正解か分からない時代に、指示命令で動かすと社員が疲弊して組織が壊れるから。
もう1つは、社員がクリエイティブな仕事をするからです。

今日は、カリスマではない、普通の人が組織運営のマスターになるためには?という話です。

変化が激しい時代、トップダウンで現場が疲弊する

僕が社長に就任してからの20年間は、時代の転換期でした。
すごく大変だった一方で、すごく貴重な体験をしました。
痛い体験が多いんだけどね(笑)

ご存知の通り、僕の会社は新聞店です、あ、知らなかったりして(笑)
新聞業界のピークは1997年で、それから発行部数は落ち続けています。
社長に就任した瞬間に時代が変わり、従来の手法では成果が出なくなりました。
つまり、「ビール券あげるから、新聞とって!」という単純な営業では成功しないのです。

そこでマーケティングの勉強をした。
それが悲劇の始まりでした(笑)

今は、これをやったら成果が出るという単純解がない時代ですよね。
何が正解か分かるまでに、何度も試行錯誤を繰り返す必要があります。

やってみては改善する、やり方を変える、その繰り返しから自社だけの正解が見つかる。

その試行錯誤をトップダウンで指示・命令を出すと現場が疲弊してしまう危険性があるのです。
「また社長、違うことを言い出した」ってなっちゃう。

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方針がコロコロ変わるのはいけんませんが、やり方は変えるのは当然ですよね?
それがやりづらくなるんです。
ものすごく気を遣う。
いつも申し訳ないという気持ちで指示を出していましたから、とことんできなくなってしまいました。

変化が激しい時代には、現場が自ら変化を生み出す必要があるということです。

現場が自ら変化をつくり出すためには

現場が自ら変化を生み出す、ということは現場で意思決定する事を意味します。
指示ゼロ経営の原則である「自ら決め、考え、判断し、行動し、改善する」

そのためには、社長の方針を受け「何をやるか?」を現場が決めることです。
すべて現場に任せられないとしたら、社長の同席のもと決める。
やることが決まったら、次に「誰がやるか?」「どのようにやるか?」を決める。
場合によっては「誰とやるか?」の決定もあります。

例えば、「地域の方と、損得を超えた人間関係をつくり、その上で販促をする」という社長方針があるとしたら、何をすれば関係性ができるか? その人たちが嫌がらない販促は?といった具体的な決定に社員が参画するという要領です。
さらに、そこから「どうやるか?」などの細かな決定が出てきます。

自ら変化をつくり出すと、仕事が楽じゃないとしても気持ちは攻めになりますよね。
その時に、人は最高にクリエイティブを発揮します。

もし、あなたがカリスマ社長で、何でも的確に正解を指示できるのなら、こんなやり方は不要だと思います。

でも、試行錯誤から正解を導くのだとしたら、現場が自ら変化をつくる組織にした方がいいと考えます。

現場に変な気を遣わずに済むし、豊かなアイデアが出るなんて最高だと思います。
そうなると、社長は社長の仕事に専念できますしね。
さて、お盆も終わり、また新しい気持ちで進んでいきましょうね。

ではまた明日!