新人をスムーズに育てる秘訣は、最初に「育ち方」を教えること
新入社員の教育をスムーズにするためには、「育ち方」を教えるのが良いと思う。
教育には、3種類あります。
1、教え育む
2、教わり育つ
3、学び合い
このステップで育って欲しいと、予め伝えるのです。
当社では、入社3ヶ月間〜6ヶ月間は、先輩が徹底して教え育みます。会社の未来をつくるような創造的なポジションで入社した人も、最初は徹底して基本業務を教えます。
「型」を重視します。
僕を知る人は意外に思うかもしれませんが、ものすごく細かいのです。
朝、会社に入るところから「行動」を定めています。
1、鍵を開けたら、すぐにセコムを解除する。
2、パソコンを立ち上げる。
3、FAXを確認する。
4、作業場の電気をつける。
5、出勤表を見て、本日のメンバーを確認する。
窮屈に感じると思いますが、基本を「教え育む」段階は、このくらいの細かさで教えます。
出来る出来ないを決めるのは、「行動をしたかどうか?」であり、本人の資質とは切り離します。
出来る人が取っている行動を分析し、ラインナップ化します。その通りに行動すれば、基本業務に関しては出来る人になれるというわけです。
先輩社員が、専用用紙に上記の「行動」を書き出し、入社して3ヶ月は、その行動を新人と一緒に行います。
行動したらスタンプを押します。
3ヶ月を過ぎたら、先輩社員は手を出さずに見守ります。行動ができたら「いいね!」と励まし、スタンプを押します。
基本が身に付いたら、「教わり育つ」に進めます。
先輩社員は、こちらからは一切、教えません。
基本業務がしっかりと出来ているか、不具合がないかを自分で確認してもらいます。
新人が、不具合に気付かない時は、先輩社員が伝えますが、解決策は教えません。
新人が、自分なりに考えた上で教えを求めてきたら、丁寧に教えます。
「自分で考えずに教えを求めてきても教えないよ」ということは予め伝えておきます。そうじゃないと意地悪されていると捉えるからです。
自分に割り当てられた基本業務を身につけたら、「学び合い」の段階に入ります。
「教え育む」と「教わり育つ」の段階は、「自分の仕事がちゃんと出来ているか?」だけにフォーカスし、先輩社員と1対1になり学びます。
「学び合い」の段階では、「チーム単位でちゃんと出来ているか?」に視点を移し、チーム単位で学び合います。
・チームで取り組む課題、目標を確認する。
・ミーティングに参加してもらい、チームとして成果を出すためのアイデアを考える。
・アイデアを実行したら、上手く行っているかをみんなで確認する。
・困っている仲間がいたら教える。
・自分が困っていたら助けを求める。
学び合いは、「教え育む」と「教わり育つ」をしっかりとやった者にしか出来ません。
学び合いに参画すると、自分が他者やチームの役に立っているという実感や、仲間から感謝される喜び、仲間に対する感謝や尊敬などを感じるようになります。
やがて、自分の居場所ができます。
誰かが用意してくれた居場所ではなく、協働・共創の中から自然発生した居場所です。
新人には、自分の居場所ができることを、入社1年〜3年の目標にしてもらいます。
このように、最初にマイルストーンを示し、「育ち方」を教えると、スムーズに成長すると思います。
教える方も、教わる方も、学び合う仲間も愉しい…教育とはそうありたいと、僕は切に願うのです。
というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください。