高まる賃上げ機運は、「賃上げのために必要なこと」を社員が知る良い機会
賃上げの問題は、経営者にとって頭の痛い問題だと思います。
社員の生活を守らなければいけないし、採用や離職への影響も考えなきゃいけない。
でも、無い袖は振れない…
岸田首相が掲げる、「成長と分配の好循環による新しい資本主義」は、「成長なくして分配なし」を原則にしていたのに、分配から始めています。
一時的な措置としては必要ですが、根本原因に着手する必要があります。
※首相官邸ホームページより
賃金は、付加価値の高い経営という根本原因から生まれる「結果」(現象)です。
賃金は売上総利益と比例関係があるので、賃上げのためには、付加価値(売上総利益)を増やすことが必須です。
それ以外の施策はすべて、一時しのぎの対処療法で、持続性しません。
中小企業が賃上げムードに安易に乗るのは危険です。
賃金を上げても、社員さんのヤル気は高まりません。正確には、一瞬だけ高まって、およそ21日後には元に戻ります。
自分たちの努力ではないところで賃上げをすると、その後も、賃上げを期待、要求するようになる可能性があります。
賃上げに必要なこと(付加価値の創出)を、社員さんが理解し、社長と一緒に力を合わせることが、賃金問題を乗り越えるための王道です。
「付加価値の創出」→「賃上げ」
しかし、実際は、「付加価値の創出」の前に整えるべき要因があります。
「◯◯」→「付加価値の創出」→「賃上げ」
付加価値は、人間の創造性によってつくられます。
僕が知る、あるケーキ屋さんは、ライバル店と同じ原材料を使っていますが、ライバル店よりも1割り高く売り、毎日完売しています。
その理由を社員さんに聞くと、次のような要因を教えてくれました。
「美味しい」「見た目がオシャレ」「衛生管理が厳しい」
同じマテリアル(原材料)を使っても、同店の手にかかると付加価値の高いケーキができるのです。
付加価値の源は、創造性です。
同店の社員さんは、みんな、この事を理解して日々の仕事に取り組んでいます。
だから、ケーキもつくっていますが、創造性が発動される「風土づくり」に余念がないのです。
□良好な人間関係
□自由に発言できる雰囲気
□自律的に行動するチームワーク
□迅速かつ正確な情報共有
□社員さん同士の学び合いの機会
ポイントは、こうした要因を社長だけでなく、社員さんが知っていて、主体的に風土づくりに取り組んでいることです。
社長からすれば心強いですよね。
社長が1人で抱え込んで孤独に陥ると、イザという時に備え、賃上げを躊躇するようになります。
社員さんが「同志」になると、社長の賃上げに対する抵抗感が軽くなります。
だから、売上総利益が増えた時に、リニアに賃上げが実現するのです。
賃金問題に注目が集まっている今は、社員さんの意識向上の機会にする好機だと思います。
最後にお知らせです。
5月17日(水)に賃金制度セミナーを行います。今日の記事の内容を詳しく学びます。
是非、社員さんと一緒にご参加ください。
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