賃金で失敗しないために、人間に対する理解と時代への理解を深める
暑さ対策には水分補充と「暑い」と嘆かないことだと最近気付きました。
夏を積極的に楽しむ姿勢が最高の暑さ対策になりますね。
さて、今日の記事は、ズバリ、成果主義はやめようという内容です。
僕は、15年ほど前に成果主義を導入して失敗しました。
最初に成果主義を聞いた時は、「これで会社が発展する」って思いましたよ。
年功序列の時代は終わったんだ、アメリカ万歳〜って思ったもんね。
でも、多くの企業で成果主義が失敗しました。
その理由は、社員のエネルギーが創造ではなく奪い合いになるからだと考えています。
ウチがそうでしたもん。
みんなで知恵を出し合い、実践を共有するから知恵が高まります。
それは奪い合いからは生まれません。
成果主義が機能しなくなる理由
成果主義の導入には2種類の動機がありました。
1つは人件費の抑制です。
人件費の原資は限られています。
以前は順調に成長したから、それに合わせ(労働分配率は同じでも)支給額は増えていきました。
それが成長が終わり、年功序列で賃金が増え続けると経営を圧迫するからという理由で導入した企業もありました。
それは動機がセコいので社員の士気を下げてしまいます。
もう1つは非常に合理的な発想で、人間への理解はあると思います。
「頑張らないと負ける」という競争意識で頑張る、そして頑張った人が会社をけん引するというメカニズムです。
人件費の原資を、成果を上げた人とそうでない人に傾斜配分します。
でも、それが全体の総力を上げるかと言えばそうじゃありません。
自分が勝つためには負けが必要ですから、自分の知恵は人と共有しませんよね?
僕の経験から、ざっくりとした感覚値で総力をイメージするとこんな感じになります。
知恵を共有した方が、チームの総力はUPする
企業内に「良い子」「悪い子「普通の子」の3人がいるとします。
例えば、彼らがこんな数値のアウトプットをしたとします。
「良い子」:10
「普通の子」:6
「悪い子」:4
総力の合計は20になります。
これが成果主義によりこんな数値になったとします。
「良い子」:12
「普通の子」:7
「悪い子」:4
合計23です。
成果主義は、デキる人は勝手に伸びますが、そうでない人は負け癖がつくので、いつまで経っても伸びません。
これが「みんなで協力して富を創造しよう!」と、知恵の共有をした場合、こうなります。
「良い子」:13
「普通の子」:8
「悪い子」:6
良い子のレベルが上がるのは、人に教えてた事で本人の学びが深くなった事を意味します。
チームの総力は、合計27になります。
あくまで感覚的なシミュレーションですので、イメージとしてご理解いただきたいと思いますが、僕は経験からそんな事を学びました。
この集団が持つ危機感は、自分が負けるというものではなく、会社全体への危機感です。
ここで重要なポイントは、良い子の理解です。
自分が勝とうとするよりもみんなで豊かになる道を選んだほうが、結局自分も得をするという理解です。
この理解がなければ知恵の共有は起こりません。
そして、処遇に繁栄するなら、チームへの貢献に感謝し、特別なボーナスを用意するのがいいと思います。
我々人類は困難な状況に、みんなの知恵を結集して乗り越えてきました。
今は工業社会の終焉を迎え、新しい時代に突入しています。
社内に勝ち組、負け組ができるような構造ではなく、知恵の共有が発生する環境を整えることが社長の重要な仕事だと考えます。
それでは、今日も素敵な1日をお過ごしください!