これからの時代、働く人はすべて「教育者」になる
先日、「これからの時代、働く人はすべて『芸人』になる」という記事を書きました。
何を買うかよりも、「誰から買うか」という時代になった…「人」で選ばれるという意味です。
今日は、その延長になる考え方…「これからの商売は『教育業』になる」という記事を書きます。
僕は、商品やサービスを売るということ=お客様に教えて差し上げることだと思うのです。
以前に、僕は出張中に風邪をひいてしまい、薬局でかぜ薬を買うことにしました。
僕は普段、薬は飲まないので、ちょっと飲むだけで効きすぎてしまいます。仕事に支障が出たら困ると思いながら薬局を探しました。
近所の薬局に入ると、たくさんのかぜ薬が並んでいるのですが、僕は選ぶことができませんでした。
POP(商品の特徴などが書かれたカード)には、薬の成分や用法しか書かれていないからです。
素人の僕には何がなんだか、さっぱり分からないのです。
2軒目に入った薬局には、かぜ薬のコーナーにこんなPOPがありました。
「風邪をひいた。でも仕事を休めない方へ。眠くなりづらいかぜ薬です。1日2回、朝晩に飲むめば、今日1日を乗り切れます」
迷わず買いました。
僕は薬に関しては素人なので、このように教えてくれなければ選ぶことができないのです。
僕が知りたいことは、成分でも用法でもありません。
「仕事に支障がないか?」を知りたいのです。
2軒目の薬局は、プロとして、僕に教えてくれたのです。
これからの商売は「教育業」になるとは、こういうことを意味します。
教育者は、商品、サービスの説明よりも先に、「あなたがどうなるか?」…未来を教えてくれます。
顧客が欲しいものは自分の未来であり、商品、サービスは、自分がそうなるための「手段」です。
販売とは「愛」なのだと思います。
薬局ではPOPで僕に教えてくれたのですが、もし、これが僕が信頼する人が教えてくれれば完璧です。
何かあったら、その人を指名して、「助けてください」と相談するでしょう。
「芸人のように指名される人が、知らない世界を教えてくれる」
すべての商売で、芸人と教育者の資質が求められるとは、こういうことです。
この考え方は、これからの企業の人材育成の指針になると考えています。
ますます商売が楽しい時代になりますね!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。