社長の孤独は、さらなる孤独を生む。今すぐ自分を孤独から解放せよ
僕が社長に就任した時に、一番最初に僕にアドバイスをしてくれたのは「源ちゃ」という新聞配達のスタッフでした。
僕よりも30歳も年上の方で、昼間は自転車屋さんを経営していた方です。
アドバイスは、「何でも1人で決めようとせずに、社員に相談してみな」でした。
そのアドバイスを受け入れるのは、僕にとってはすごく抵抗がありました。その理由は、相談なんてしたら、社員は迷惑がるだろうと思ったからです。
後に、それはとても傲慢な考え方だと知りました。
相談をせずに、変な施策を立てる方が迷惑です。
経営の「け」の字も知らない24歳の僕は、正直に、社員さんに相談すれば良かったのです。
ある社長は、僕と同じような状況に置かれた時に、社員さんに相談をしたそうです。
そうしたら、社長が期待するような態度で接してくれなかったそうです。
みんな「ポカン」とした顔をして黙っていたそうです。
後に、その社長は、それも無理もないことだと悟りました。
だって、経営の経験も勉強もしたことがないのに、いきなり相談されても戸惑いますからね。
社長とは、いとも簡単に孤独に陥るものなのだと思います。
孤独に陥った社長は、自分を、さらに孤独に追いやるような言動をしてしまうことがあります。
例えば…
「社員には任せられない。自分でやるからいい」
「私に付いてこれないなら辞めてもらってもいい」
孤独に陥った社長のもとではチームワークはつくれません。
社員さんが良好なチームワークをつくると、社長の中に、「自分 VS 社員チーム」という構図を勝手に作ってしまいます。
そうすると、無意識のうちに、社員間のコミュニケーションを希薄にするようなことをやってしまいます。
例えば、チームをつくらずに、社員に1人で仕事をさせ、自分の支配下に置くといったものです。
下のような構図をつくり「横のつながり」を希薄にします。
僕は、本当に孤独に苦しんだ時に、源ちゃのアドバイスを受け入れました。
さぞ、社員さんは迷惑だろうな…と思ったのですが、1人だけ、「俺は頭は悪いけど、力になりたいと思っている」と、名乗り出てくれた古参の社員さんがいました。
その方も源ちゃと同じ、僕よりも30歳以上も年上の方でした。
そう名乗り出てくれることが、こんなにも嬉しいなんて、その時まで思いもしなかったです。
僕が問題だと思っていることを、正直に伝えました。
考えるのに必要な情報(決算書など)も見せました。
僕も、古参社員さんも、知識も経験もなかったが、自分たちなりに勉強をしました。
古参社員さんは勉強が苦手だったので、僕が研修に行き、それを共有しました。
周りの社員さんは、古参社員さんを見て、「自分も!」と、徐々に輪に入ってくれるようになりました。
すでに輪に入っている人がいれば自分も入るという人がほとんどです。
輪に入っている人数が多ければ多いほど、入ってくる人数も増えます。
加速度的に広がっていきます。
「たった1人」
社長が孤独から解放されるために必要な、最初の人数です。
一緒に悩み、一緒に学び、一緒に行動してくれる「たった1人」は、次の1人をつくり、2人、4人、8人と増えていきます。
気づけば、孤独は相当に軽くなると思いますよ!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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