日本が、この30年間で失ったものは何か?
先日、関西を代表する企業の社長が集まる「関西財界セミナー」が開催されました。
今回は「この30年の総括」というテーマで議論が行われたそうです。
この30年とは「失われた30年」を指します。
失われた30年という言葉だけがひとり歩きしていますが、一体、日本は何を失ったのでしょうか?
人により捉え方は違いますが、関西財界セミナーに参加した社長たちの発言から、観えてくるものがあります。
「日本人は結局、価値の向上はものすごく得意。それで高度成長期を過ごしてきたと思うんですよね。価値の向上と価値の創造はちょっと違う」 (ダイキン工業 二宮清社友)
「世界でも有数の光ファイバーネットワークを張り巡らせて、GAFAと言われるような会社が生まれる素地はあったはずなのに、なかなかそれが日本では生まれなかった。インフラはあるのになぜ生まれなかったのか」 (NTT都市開発 松本順一取締役)
技術はあるのに、生活者を「ワオ!」と言わせる商品やサービスを開発するのが下手だということです。
この30年で失ったものに「創造性」があると思います。
しかし、実際は、失ったことに気付いたのが、この30年間というだけで、失い始めたのはもっと以前だったのだと思います。
高度経済成長時代、企業経営の命題は「大量生産・大量消費」でした。効率よくつくり、効率よく市場に流すことで企業も社会も発展していきましたし、生活者も豊かな生活を送れるようになりました。
その時代に求められる人材は、「基本的な読み書きソロバンができ、決められた手順に従い仕事ができる従順な人」です。
教育は、そういう人材を多く輩出しました。
親も親で、子どもが学校から帰ってくると、「今日もいい子で先生の言うことを聞いた?」なんて言うわけです。
これでは、自ら考え、決め、行動する人は育ちません。
創造性が失われるのは当然のことだと思います。
失われた30年を取り戻すには30年かかると思います。
幸いにも日本は底力があるので、途中で崩壊するようなことはないと思います。(そう願いたい)
政治も教育も、私たち企業も変わらなきゃいけません。
もう新しい時代の芽が出始めています。
Z世代が社会に出始めていますが、彼ら、彼女らの中には、従来の束縛から解放された人がいます。
そういう人たちを採用できる、魅力ある風土をつくることは喫緊の課題だと思います。
1人採用できれば、次の1人は採用しやすくなります。
3人もいて、彼ら、彼女らが愉しく働いていたら、その世代の人たちにとって憧れの企業になると思います。
僕が知る、関西方面の社員数30名ほどの企業は、すでにそのモードに入りつつあります。
社長が、創造性を持った人材が活躍できるような風土にしていきたいと本気で思い、具体的なアクションを起こしているのです。
働き甲斐を求める若い人材が続々と入社し、イキイキと活躍しています。
もう芽が出ている企業もありますし、これから土壌を整えるという企業もあると思います。
今からでも十分に間に合いますので、次世代に向かい風土を変えていきましょう!
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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