頭でっかちではなく「心でっかち」の経営理念が組織に活力を注ぐ

経営理念は、企業活動の礎で、とても大切なものですが、形骸化しやすい最たるものでもあります。
形骸化している企業の方が多いのではないでしょうか?
形骸化する原因は様々ですが、最も多いケースは、文字通り「形だけ整えるから」だと思います。
どこかで「経営理念が必要」と勉強して、じゃあ作るか!では、すぐに形骸化します。

経営理念は「つくる」ものではなく、「醸し出されるもの」だと僕は考えています。
頭で考えて作るものではないということです。
言語では表現しづらい、思いの「種」が心の奥底にあり、そこから湧き上がるエネルギーを、言語に翻訳したものが経営理念だと思います。

頭で考えると、キレイにまとまった上品なものはできます。
「世のため人のため」といった、他の会社のものと差し替えても気付かないようなものです。
意味はわかりますが、エネルギーがなく求心力にはなりません。

経営理念は「願い」だと思います。
「こうあるべき」ではなく「こうありたい」と、強く願うものです。

願いは、何もないところに降ってくるものではなく、人生の経験、体験から醸成されるものです。
「昔、こういう体験をして、それにより、こういう価値観を持つようになった」と、体験とセットで語ることができます。
誰にでも、今の自分の価値観や思い、願いが形成される原体験があるはずです。
だから、過去に感謝することが、とても大切だと思うのです。

ちょいと面白い話があります。
僕が社長を務めてきた会社は「共和堂新聞店」と言います。
ご多分に漏れず、僕も、セミナーで「経営理念が大切だ」と習い、作りました。
あまり深く考えずに、「共和堂だから、“共に和を創る”で良いんじゃない?」というノリで作りました。
深く考えなかったことが、功を奏したのだと思います。
「こうあるべき」という縛りがなく、素直に望むことを言葉にしたのです。

実は、創業者は、“共に和を創る”という思いで創業しています。
それを知ったのは、つい最近のことです。
創業者は、僕が3歳の時に他界していますし、先代の父は、僕が大学を卒業をした直後に他界しています。
僕は、誰からも創業の理念を聞かず、3代目として後を継ぎました。

しかし、僕は、ずっと理念が空気のようにある環境で育ったので、自然と身体に染み込んでいたのだと思います。

この理念が、新しい形で開花したのが指示ゼロ経営です。
人と協働する中で、自分の個性や才能が活き、自分の居場所ができ、他者から必要とされること。
そんな「和を創る経営」を自然と選んだのは、創業者の思いが遺伝子に刻まれているからだと思います。

あなたにも、今持っている価値観や願いが紡がれる原体験があるはず。
そこから紐解くと、自分の内面に新たな発見があるかもしれません。

というわけで、今日も素敵な1日をお過ごしください!

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