強制すべきか、自発性が出るのを待つか?そこが問題だ
「社員の自発性を尊重する大切さは分かるが、ウチの社員はそういう段階にいない、まずは、強制が必要だ」という考え方があります。
例えば、意見を言わないから、何でも良いから言わせる、というもの。
しかし大抵、順番どおりに無難な意見を言って、一周して終わりということになります。
僕は、強制には人と組織を変える力はないと考えています。
一瞬、従うフリをするだけで長続きはしません。
会議で言えば、発言しやすい雰囲気をつくること…例えば、発言が馬鹿にされたり、怒られたりしない場をつくり、自発性が発現するのを待つことが大切だと考えるのです。
自然発酵みたいなものです。
しかし、それでは時間がかかり過ぎるという意見もあります。
特に、ガチガチに固まった組織では、1回、外圧を加え、ヒビを入れることも必要かもしれません。
そこで、「自発性を誘発する緩やかな強制」という上手な方法があります。
「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」という諺がありますが、まずは、水飲み場まで連れて行くという方法です。
これで飲み始めるケースがあります。
ただし、条件があります。
大前提は、馬ではなく人間であることです 笑
1、のどが渇いていること
2、すでに水を飲んで、心地よさそうにしている仲間がいること
3、飲まなくてもOK、という選択肢があること
現実の職場に当てはめると、次のようになります。
まずは、のどが渇いていること…その行為の必要性に気付いていることです。
「発言をする」「研修に出る」「朝礼をやる」…リーダーが推進したいと思うのには理由があるわけで、その理由が理解できれば、大抵、納得してくれます。
しかし、行動してくれるとは限りません。
行動へのモチベーションが生まれるためには、それを楽しくやっている人の姿が必要です。
特に、同じ立場の仲間の影響力は大きい。
もし、楽しんでいる人が1人もいなければ、まずはリーダーが楽しむしかないと思います。
というか、リーダーが楽しんでいないのが、楽しんでいる人が1人もいない原因なのですから。
そして、「強制ではない」と伝えることです。
ただし、これは1と2の要件が満たされた場合のみです。
満たされていない場合に強制すると、楽しくないので、一頭目の馬が現れません。
満たされているなら、強制されない方が行動へのモチベーションが上がります。
てなわけで、「強制すべきか自発性が出るのを待つか?そこが問題だ」と思った時は、「自発性を誘発する緩やかな強制」という方法を参考にして下さい。
ただし、リーダーに人間味があり、メンバーから慕われている場合、強制で上手くいくケースが多いのも事実です。
やってみたら意外と楽しくて、リーダーに「ね!楽しいでしょ?」と言われ、照れ笑いするケースね。
組織とあなたのキャラに応じて、やり方を考えてみて下さい。
それでは今日も素敵な1日を!
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