取引業者を邪険に扱う企業が貧乏になるワケ
取引先や出入りの業者を乱暴に扱う会社がありますが、そういう企業は繁栄しないと思います。
まあ話を聞くと酷いところがあって、例えば、徹底的に叩く(値引き要求)する会社もあれば、営業パーソンを夜中にタクシー代わりに呼び出すなんて馬鹿ヤローもいます。
一方、自社の社員と同じように丁寧に接する企業もあります。
僕が経営してきた新聞店では事務員さんがとても親切にしていました。
プリンターの業者が定期メンテナンスに来ると必ずお茶を出していたし、社員の誕生会のタイミングで来ると一緒にケーキを食べたこともありました。
メンテナンスの方は僕の会社を最優先に対応してくれましただけでなく、色んな提案もしてくれました。
例えば、「御社のプリンターの性能なら年賀状印刷や名刺印刷の商売もできますよ。デザインの方法や集客の方法もお教えしますよ」なんて提案してくれ、本当に印刷サービスが始まりました。
先日、ホワイト企業大賞の視察でお邪魔した企業さんもそうでした。
和服の下着などの製造販売をしている会社ですが、製品は自社工場だけでなく外部の提携工場でも製造をしています。
いわば下請けですが、その会社に特殊な技術があることから完全にパートナーシップを組んでいました。
お話を聞いて驚いたのが、提携工場に対し「値上げ」を提案することがあるそうです。
相手に十分な利益が出るかまで確認しているんだから、もう外部工場ではないよね。
そう言えば、会話の中で「第2工場」なんて表現がありました。
こういうと「それは、その工場に特別な技術があるからそういう関係になるんでしょ」と思われるかもしれませんが、そうとは限りません。
相手を大切にすると、相手が自社の技術やノウハウを磨き提案してくれるというケースもあります。
さて、こういうパートナーシップをつくる企業には、他の企業にはないある考え方があります。
それは利益に対する考え方です。
例えば、売価100円のチョコレートがあったとします。
原材料が70円とすれば1個あたりの儲けは30円です。
100円−70円=30円
この計算式で商売をしている会社がほとんどだと思います。
すると儲けを増やすためには手っ取り早く仕入れ業者への値引き要求を強めるという発想になります。
100円−60円=40円と。
こういう商売をすると、利益を出すためには業者を叩けばいいという発想になりがちです。
価値で勝負することに意識が向かないから自社商品の価格も下がりみんなで苦しい思いをすることになります。
対し、パートナーシップを大切にする企業はパートナーの知恵を借り付加価値の高い商売を目指します。
分かりやすい例で言えば、原材料費70円に高い付加価値を付けて高く売るのです。
原材料費70円+付加価値40円=売価110円
40円は1個あたりの儲けであり、解釈を変えるとパートナーの知恵を借りて作り出した付加価値と言えます。
安売りは悪とまでは言いませんが、僕が知る限り安売り路線では苦しむ人が出て、回り回って自分が苦しむことになりがちです。
大量生産・大量消費の時代が終わった今、価値をつくる方向性に経営の舵を切る必要があると思います。
それに伴い社員さんとの関係性はもちろん、社外とのパートナーシップのあり方も見直す必要があると考えるのです。
ではでは今日も素敵な1日をお過ごしください!