「指示待ち社員を能動的に動く社員に変えるには?」という発想を捨てると上手くいく

「指示を待つことが普通となっている社員を、能動的(指示ゼロ)にする方法を知りたい」

先日、とある業界団体で指示ゼロ経営の講演会を行い受講者の方から後日、そんなご質問をいただきました。

1人の悩みはみんなの悩み…みんなの学びのチャンス、ということでブログで解答することにしました。

このご質問の中で、僕が気になったところは「能動的に“する”」の部分です。
“する”という言葉の背景に「リーダーの力でなんとかする」というニュアンスを感じるからです。
でも、無理もないこと。
これまでの経営の常識だから。

しかし、こと自律型組織では別の考え方を取ります。
まず、リーダーの力で能動的になったものを自律的とは言いません。
リーダーの影響力で変わったものは、リーダーが世話をしなくなると元に戻ってしまいます。

「チーム内に能動的な動きが芽生え、芽が育っていく」

これが自律型組織のあり方です。

このような変容が起きるとすれば、チーム内に「自発的、能動的に動くと愉しい」という機運が高まった時です。
楽しんでやっている仲間の姿を見て「自分もやってみるか」となり、行動する人が1人増え、2人増え、4人増え、16人増え…と加速増加していき、やがて文化になります。

そもそも人間は自分で決めて行動すると楽しいと感じるようにできているから自然に伝播します。

しかし1つ注意が必要です。
これまでの人生経験の中で、挑戦をして痛い思いもしているので、多くの人は行動をためらいます。
だからいきなり全員は動かない。

リーダーにできることは最初の1人にうんと感謝して、一緒に愉しむことです。
しかも「全体に広げたい」というコントロールを捨てて純粋に。

愉しんでいる場に人は集ってきます。
1人増え、2人増え、4人増え、16人増えと…
そして人が集い、あるテーマで行動していると、やがて文化が醸成されます。

そうなったら強いよね。

しかし、そうなるまでには時間がかかります。
5年、7年、10年という長期で観ることが大切です。

というわけで、ご質問にお応えできたでしょうか?
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