社員に挑戦意欲がない企業には『責任』に対する間違った認識がある

以前に、知人に部下の挑戦意欲を削ぐ3つの言葉なるものを聞きました。
部下が新しいことに挑戦したいと相談してきた時に…

1、市場はあるのか?
2、利益は出るのか?
3、責任は取れるのか?

この3つを言うと挑戦をやめるというのです。
当然ですよね。

これらの言葉は、つまりは「失敗はないだろうな?」と迫っているのです。
しかも上司であるにも関わらず逃げている。
部下は責任が取れるわけがないから諦めるのです。

日本では責任という言葉が曖昧に使われています。
武士の世界では腹切りをしてきました。その流れを継いだのか政治の世界では、すぐに「責任をとって辞任せよ」なんて追求されます。

それを見ていると漠然と責任を取る=身を散らすという印象を持ってしまうのだと思います。

この染み込んだ感覚がどういう時に表れ弊害を及ぼすかというと、新しい事に挑戦する時です。
どうも前向きになれない、その原因は責任を負わされる恐怖です。

社長の代わりがいない中小企業では仕事の失敗の責任をとって社長に辞任されたら困ります。
当然、社員にもそんな責任の負い方はあるはずがありません。

前に進むしかないのです。

そして、そもそも失敗かどうか?は最後の最後に判定されるものです。

今のような変化が早い時代では計画した通りに事が進むことはありません。
やってみなきゃ分からないことだらけです。
これは逆に言えば、「やれば分かることがある」ということ。
その中には「この方法では上手くいかない」という教訓もある。

失敗ではないのです。

前に進むしかないと腹をくくるとチームワークが良くなります。
「責任を取らされる」という恐れがあると、失敗した時に自分に非難の矛先が向かいないように、人身御供を用意します。

だから「いつもダメなやつ」がいると安心するのですが、こんな組織が成果を上げるわけがありませんよね。

取らされる責任の恐れから解放されると仲間と協働して前に進む機運が高まります。

先月に研修でお邪魔した企業では、社長が明確な言葉で責任について語っていました。

「責任を取らされるなんてことは絶対にない。“やりっぱなし”はしてはいけない。やってみて、その結果を検証し次に活かせ、必ず前進できるから」

素晴らしい勇気づけだと思ったのです。

一度、社員さんと責任についての考え方を共有してみてはいかがでしょうか?
きっと何か、雰囲気が変わると思いますよ!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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