子が通う塾を親が勝手に決めるような教育を社内でしていないか?

指示ゼロ経営を導入するにあたり、「まず何から始めるのが良いか?」という相談をよく受けます。
以前、僕は「社員さんが望むことから始めるのが良いのでは」とお応えしました。
例えば、ちゃんと休憩時間が取れるようにしたいといった職場環境です。

でも、今は違う考えを持っています。
確信を持ってこうお応えします。

「指示ゼロ経営をやるかどうか?」

…これを話し合うことです。
社長はやりたいと思っているから、今更こんな話し合いをしたくないと思いますが、絶対にやるべきだと考えます。

話し合う内容は2つ。

1、「指示ゼロ経営になるとどんな良いことがあるか?」
良いこと、とは会社にとってだけではなく働く1人1人にとっての良いこともです。

2、同時に「不安に思うこと」も遠慮なく出してもらうことが大切です。

「無責任になったらどうしよう」
「特定の人に仕事が集中したら…」
「バラバラになるのでは?」

不安なことを心に閉まっていくと余計に不安になります。
表面化させ、それをみんなで話し合うことで軽減されます。

そもそも、そういう問題が起きた時に自律的に解決できる組織が指示ゼロ経営なのだから。

このプロセスをしっかりやり「やってみたい」と決意することで効果は飛躍的に高まります。

僕がこの重要性に気づいたのは、今から20年ほど前、才能教育研究会(スズキ・メソード)の教育法に触れた時です。
たまた息子が通っていたという、そんな出会いです。
スズキ・メソードはバイオリン、チェロ、ピアノの教室で、世界的なプレーヤーを輩出しています。

創始者の鈴木鎮一先生は、ある日、人生を変える天啓を受けました。
それは、「私たち日本人は、なぜ日本語の天才なのか?」という気づきです。

当たり前に思うかもしれませんが、よく考えると、私たちは日本語教室に通ったわけでもないのに日本語がペラペラです。

母語を習得するプロセスをバイオリン教育に活かせば、どの子も育つはず…そんな気付きです。

まず、何よりも先にマインドセット…家族が楽しく会話をするのを聞き、自分も会話に加わりたいという情動が起きたはずです。
だからスズキ・メソードでは、子どもが習う前に親が一曲、楽しく弾けるようになることから始めます。

そして、楽しそうに弾くのを見てこう言うのです。

「僕にもやらせて」

この瞬間にバイオリンが手渡されトレーニングが始まるのです。

見逃しがちですが、とても重要なマインドセットです。
企業では、「やるのは当たり前」を前提にしがちですが、新しいことを始める際には改めて行う必要があると考えるのです。

指示ゼロ経営に限らずですが、新しいことを導入する場合、是非、しっかりと気持ちを練る時間を作りましょう。

本人たちが「やりたい」と思った時のモチベーションは凄いですよ!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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