リーダーのその悩みをメンバーと共有するからみんなが味方になってくれる
人は自分中心に物事を考える生き物で、自分が考えている事を、相手も同じように理解してくれていると思ってしまうものです。
僕にも経験があります。
僕は経営者なので常に利益を考えて仕事をします。
例えば、当社では年末に年賀状印刷のサービスを行っています。
僕もデザインを担当したことがありますが、本当はこだわり尽くしたいと思うんですよね。
でもある程度のところで妥協して先に進めないと数がこなせないので利益が出ません。
僕はそれが当然だと思っていたが、あるスタッフは、時間をかけ過ぎて利益が出ないくらい細部にこだわるのです。
「普通に考えれば分かるだろ!」と腹を立てたものですが、そのスタッフの最優先は丁寧な仕事をすることだったのです。
まさに認識の違い…コミュニケーションの齟齬(そご)だったのです。
悩んだ末に先輩の力を借りて勉強会をしました。
ポイントは2つだけです。
1、企業は利益が出なければ存続できない、賃金も出ないという事実
2、商品の利益額と販売数量から利益のシミュレーションを行い、時間あたりの製造数を算出。
問題はすぐに解決しました。
先日、「部下が思うように動いてくれない」という相談を受けました。
そもそも他人は自分が思うようには動いてくれないものですが、根本的に「向いている方向が違う」という現状でした。
詳しく聞くと部下の方は仕入れを担当しているのですが、在庫を考えずに仕入れるそうです。
在庫を抱えすぎると会社の現金が減り資金繰りが大変になります。
かと言って、適度な在庫がないとお客様の不満を生みます。
僕が「悩ましいですね」と言ったら、「本当にそうなんです」と言いました。
でも、きっと部下の方も同じように悩ましいと思っているはずです。
指示ゼロ経営には「手の内を明かす」という基本概念があります。
課題やリーダーの悩みなどをメンバーと共有することです。
リーダーは責任感からか、悩みを1人で抱え込んでしまうでしょ。
しかし、メンバーはリーダーの悩みを知りたいと思っているものです。
なぜならば、それを知らないと力になりようがないから。
メンバーの多くは、「そんな悩みを私たちに打ち明けないで」とは思っていません。
普段からリーダーがメンバーからの相談をスルーしていれば別ですが、普通は「力ないなりたい」と思っているのです。
むしろ、手の内を明かさずに1人で悩み不機嫌になっているのを嫌がっていますよ。
さて、件の在庫を考えずに仕入れるスタッフさんの件ですが、現在、リーダーと話し合いの場を設けています。
お客様の満足を犠牲にせずに在庫を適正にする方法を一緒に考えています。
会社に必要な現金をリーダーから伝え、それを元に考えるようになりました。
実は、現時点で有効な解決策は出ていませんが、これまで抱えてきた変なモヤモヤがなくなりストレスが減ったそうです。
特にリーダーはひとり相撲状態から開放され楽になったとおっしゃっていました。
メンバーに力になって欲しいと思ったら、手の内を明かして一緒に考えてもらうことが大切です。
頼る気持ちと、力になってくれたら感謝する心があれば協働するチームはつくれると思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!
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