成熟社会で繁栄する秘訣は、実は社員が正解を知っている

企業成長、繁栄の「急所」が変わってきていると感じています。
以前の大量生産・大量消費の時代はいかに効率よくモノを作り市場に流すかが命題でしたが、今は、そもそも市場にモノが満ちていて、生活者は「買わなくても良い」という選択肢を持つようになりました。

そういえば僕は最近、必需品以外の買い物をしていないわ…

急所が変わったというのは、効率性・合理性を追求する経営から、いかに創造性の経営にシフトすることです。

例えば、僕が大好きなバルミューダがまさに創造性経営をされています。
だって、完全に成熟したトースター市場において1台2万円以上の高級品を開発してヒットさせたのだから。

様々なジャーナリストが同社の記事を描いていて、調べてみると創造性の背景にあるものが見えてきました。

それは「組織の風土」です。

どんな風土なのか?
どうすればそんな風土が創られるのか?

実は、社員さんが知っています。

僕が企業で研修をする時に、よく行うワークがあります。
それは、「どんなチームで」「どんな誇り高き仕事をしたいか?」を自分たちで話し合い明確にするワークです。
このワークには社長にも入ってもらいます。

すると、どんな意見が出るでしょうか?
これが面白いほどに、どの企業でも同じようなものが出るのです。

チームに関しては、「困っている仲間を助ける」「感謝し合える」「個性が活きる」「弱い部分を認め合える」「自由である」「成長できる」「やらされではなく自分たちが主体で考え決め行動する」

誇り高き仕事に関しては、「顧客に喜ばれ感謝される」「丁寧で上質な仕事」「1つで良いから強みがある」「家族に自慢できる、社会に貢献する仕事」

これ、人として大切なこと、普遍的なことですよね?

そして、これらを本当に大切にして実践している企業では「ある事」が起きています。
それは「仕事がワクワク、愉快になる」という現象です。
この心境が、まさにこれからの時代に欠かせない創造性の源なのです。

僕は思います。
人として正しい生き方をする企業が繁栄するなんて良い時代だと。

そして改めて、以前に紹介した道場六三郎さんのエピソードを噛みしめるのです。

ある日、道場さんが経営コンサルタントと食事に行ったそうですが、その店は1組しかお客様がいない寂しいお店でした。
そこで道場さんはコンサルに「君ならどうする?」と聞きます。
コンサルタントは頭をフル回転させ「看板メニューの設定」「対象顧客の設定」「プロモーション法」「他社との優位性」「価格設定」…経営の基本をおさえた「教科書通りの」戦略を口にしたそうです。

それに対し、道場さんはこう言ったそうです。

「空席を見てはいけない。僕なら、来てくれているあの1組のお客様にうんと喜んでいただけるように尽くすよ。家に帰った時に『今日、すごく良いレストランに行ったんだ。今度、みんなで行こう』と言ってもらえるように」

「どんなチームで」「どんな誇り高き仕事をしたいか?」…これを社員さんと話し合うことをお勧めします。
すでに答えを知っているはずだから、それに本当にやることだと考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 

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