あなたの言葉に、聞いた人の心に変化を起こす力はあるか?
指示ゼロ経営とは「視点」「考え方」です。
テクニックもありますが、一番大切なことは視点を持つことで、身に付けてしまえばあらゆることに対応できます。
例えば、社員さんたちが一生懸命、仕事のプランを考えてあなた(リーダー)のところに持ってきました。
「こんな風に考えてみたのですが、これで良いでしょうか?」
そこであなたならどう対応するでしょうか?
プランをチェックしてアドバイスする…それも1つの方法です。
「やってみなよ」と行動を促す…これも良いと思います。
しかし、本当に指示ゼロ経営の視点を身に着けた人は、一味違う対応をします。
昨年、とある企業さんの社内研修を行い、まさにそこでそんな対応を見たのです。
それは経営陣の対応です。
その会社は今、組織を動かすOSを入れ替えようとしています。
「OSを入れ替える」とは大袈裟に聞こえるかもしれませんが決して大袈裟ではありません。
今のやり方を改善する、何かを加える、そんなものではなく行動様式の原則を丸ごと変える大変な作業なのです。
だからこそ研修では、まずはゲームで指示ゼロ経営を疑似体験し、それを現場で再現するという安全かつ確実な方法を取ります。
いずれにせよ社員さんにも経営陣にも覚悟が要ります。
そして正しく理解することが求められます。
指示ゼロ経営は自律型組織ですので、決してリーダーの手で作るものではありません。
みんなの力で醸し出していくものです。
が、しかし、壊すのは大抵、リーダーなのです。
例えば、社員さんが自発的に考えたプランを頭ごなしにダメ出ししたら「だったら指示を出してください。言われた通りにやりますから」ってなるよね。
そして一度、崩れた信頼関係はリカバリーに多くの時間と労力を要します。
だから覚悟が要るのです。
さて、件の企業さんの経営陣の対応はどんなものだったのか?
場面は、まさに仕事のプランを自分たちで考え、「こんな風に考えてみたのですが、これで良いでしょうか?」と経営陣に相談した時です。
専務取締役の方はこう言いました。
今の時代、正解というのはなかなか分かるものではありません。分かるとすれば、今のように皆さんが仲間とともに考えることで観えてくるものだと思います。やってみないと正解かどうかは分かりませんが、今のこの在り方を続けることが我社の目的である「1人1人の人生が豊かになる」という未来を創るのではないでしょうか?主体的に生きることが幸福に繋がるからです。
そして最後に言いました。
「本当にありがとうございます。」
視点が身についた人の言葉を聞き、僕は本当に感動しました。
これを聞いた社員さんの心に、どんな気持ちが生まれるでしょうか? そして、専務の言葉の背景には、社員へのどんな思いがあるでしょうか?
大切なことはテクニックではなく、視点、考え方だと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!
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