人材育成は7年かかると覚悟すると5年で完了する
子供の頃から染み付いた習慣を変えるのは本当に大変なことです。
私たちは小学生の頃、「いい子で先生の言うことを聞いてた?」なんて親に言われて育つから、従順であることをよしと思いこんでしまっています。
これは大量生産・大量消費の時代の名残りです。
同じ規格の製品を効率よく作るためには標準化された従順な人材が大量に必要だった。
それに伴い教育界は、飛び抜けた人材よりも平均的、無難な人材を育てたわけです。
だから就活の学生なんか同じスーツ、同じ髪型、同じ表情で街を歩いています。
採用する側も求職者も、従順を標準に生きていると言っても過言ではないと思います。
ここから脱却するのは大変。
「ノミの法則」というものがあります。
ノミのジャンプ力は30cmもあるそうですが、ビンの中に入れ蓋をすると跳ねるたびに蓋に衝突します。
すると蓋を外しても、蓋があった高さまでしか跳ねないという、本当か嘘か分からない話があります。
痛い思いをして学習したことは、なかなか元には戻りません。
従順でいなくて怒られた経験、「空気が読めない」とバカにされた経験をすると、リカバリーには長い時間がかかると思います。
つまり、僕が何を言いたいかというと、自発的な人材育成、自律的に動くチームの育成には時間がかかるということです。
僕は人材育成には7年くらいかかるものだと言っています。
しかし、7年スパンで考える社長のもとでは、実際は5年ほどでチームが育ちます。
どうしてか?
7年かかると覚悟することで、長い目で見ることができ、結果的に早く育つのです。
早く育てようとすると、焦って部下を叱る場面が増えます。
叱られて育った部下は…そう、例のノミのように高く跳ねる意思を失ってしまうのです。
人材育成で最も時間がかかることは、「自分の意思で動いても良い」という当たり前のことに気づき習慣化することです。
まずはこのステップを超えること、これを部下のみんなと「チームの状態目標」として共有することだと考えます。
そして、1人、ビンの蓋の高さを超え跳ねる者が出たら、2人目3人目に伝播するのは時間の問題です。
長い目で見ると結果的に早く育つ…人と組織の育成って奥が深いですね〜