商売をアタリハズレのギャンブルにしないために

その昔、僕は「社運を賭ける」なんてことをやる社長に何人か出会ってきました。
大胆な投資をする大勝負に出るんです。
度胸が良いですよね〜
しかも、彼ら、商売勘が良くて、ほとんど賭けを外すことがありませんでした。

先日、そんな1人とメールでやり取りをしましたが、「今じゃできないね」と言うんです。
「もう年だから」という意味かと思いきや、その心は「変化が激しい時代だから」ということなのです。

先が読めないから大胆な勝負に出れないということ。
時代を象徴すると思ったのです。

脱ギャンブルで成功した企業に「ZARA」があります。

アパレルの世界ほどギャンブル性が強い業界もないと思います。
例えば、今(2021年8月時点)はおそらく、来年の春夏か、もしかしたら来年の秋冬の企画をしているかもしれません。
基本的に大量生産をします。
その方が商品1個あたりの原価が下がるからです。(1個あたりの儲けが大きくなる)

しかし、トレンドを外すリスクがあります。
もし、外したら大量の在庫を抱え、アホみたいな安売りセールをしなければなりませんよね。
怖いですね〜

ZARAではこのリスクを回避するために、「マメに作って売る」という作戦を取っているそうです。
今は、誰もがSNSで発信できる時代なので、いつどこで新しいトレンドが発生するか分かりません。
だから、トレンドが変わった瞬間に企画をして、その2週間後には店頭に並ぶ仕組みがあると言います。

少量生産なので1個あたりの原価は高くなりますが、トレンドにバッチリ合った商品を作れるので売価が上がり儲かるというわけです。

さて、ここまでは仕組みにフォーカスしましたが、この俊敏な動きを実現するためには「現場で考え決め行動する」組織力が欠かせません。

実際にZARAではお客様に近い現場が自律的に活動できる風土と仕組みがあると言います。

その概要はこう。
1、情報収集(トレンドの変化をキャッチ)
2、店頭のスタッフやデザイナーなどを交えた小集団で考え企画する
3、販売の結果を検証する

このプロセスで確実な商売をするとともに、変化に強い人材とチームが育っていくのです。

この話は何もアパレルに限った話じゃありません。
変化の時代はこれからが本番です。

トップダウンから現場力の経営に変容する時期に入ったと考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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