部下のヤル気を引き出すことはリーダーの仕事ではない
僕は、部下のヤル気を引き出すなんてことはリーダーの仕事ではないと思っています。
せいぜい、ヤル気を削がないこと、邪魔をしないことだと。
とは言っても「ヤル気はあなたの責任だ」というわけではない。
持続的なヤル気が生み出される環境をつくるのが役割だと考えています。
他人の力で引き出されたヤル気なんて長続きしないし、引き出す方もネタが付きてしまいます。
僕は、これで八方塞がりに陥ったことがあります。
30代の頃に、ある研修で「部下をモチベートする」という術を学びました。
「本気で伝えれば部下は変わる」ということで、魂を込めて対話をするのです。
やってみて、「オレ、意外と才能があるかも?」と思いました 笑
社外の話ですが、友人が選挙に立候補しようか迷っていました。
友人には才能があると思ったし、政治家になることで地域が良くなると本気で思っていました。
そこでモチベートをしたところ本当に立候補し当選したのです。
気を良くした僕は社内で使うようになりましたが、すぐに限界を感じました。
モグラ叩きなのです。
僕からの刺激でヤル気になった部下は、僕がいないとヤル気を維持できないのです。
また、さらに強い刺激が必要になる。
最後は、泣きながら「お前なら出来る!」「お前の才能を開花させるのは天への恩返しだ」なんて始末です 笑
麻薬みたいなものだと悟りました。
ホルモンで言えばドーパミン、アドレナリン系で、カンフル剤にはなるが持続しないのです。
それならばノルマで縛ろうか、と思いやってみたのですが、これも長続きしない。
それどころか目先の損得に意識が奪われ創造的な仕事ができなくなってしまいました。
それよりもセロトニン、オキシトシン系のヤル気…仕事の行為そのものから幸せを感じられる方が良いと気付いたのです。
そこで役に立った知見が「ゲーム性」です。
ゲームが面白いのは、自分で決めてやったことの結果が出るからです。
「自ら考え決め、行動した結果を自ら受け取って次に活かす」…この繰り返しで成果を手にした時に、しみじみと感じる幸せが持続可能なヤル気を生むのだと。
例えば社員が、お客様に喜ばれる事を自分で考えてやってみて、感謝の手紙が来た時に当人のヤル気エンジンが回り始めたことがありました。
もっと喜ばれたい、もっと意義あることをしたいと思ったのでしょう。
また、自分で企画した販促で注文のFAXが入ったのですが、注文者は手紙をくれたお客様でした。
こうなるとエンジンは止まりません。
僕の影響力ではなく、ある環境の中で仕事をした結果、生み出されたヤル気です。
□他人に刺激されたヤル気は長続きしない。
□ノルマなど、何かに追われて出たヤル気も長続きしないし創造性は出ない。
□意義あることに自らの意思で取り組み、その結果を自分で受け取った時に持続可能なヤル気が生まれる
そんな経験から「部下のヤル気を引き出すのはリーダーの仕事ではない」と考えるようになったのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。