権限移譲では実現しない、想定外の革新を起こす任せ方

指示ゼロ経営を実現した企業の共通項

誰も予想だにしなかった革新的なことを起こしたいなら「権限移譲」では実現しないと思います。
権限移譲は、「自分でもできるけど、あなたに任せる」というもの。
決められた仕事を期待通り、あるいは期待の少し上くらいでこなして欲しい時の話しです。
想定外の出来栄えだった、という事はあまりない。

指示ゼロ経営に「信頼して任せる」という基本的な考え方がありますが、これは権限移譲とは本質的に違います。
そもそも誰かに権限が集中していないのです。

リーダー1人では出来ない、正解が分からないことを、みんなの力でやっている、そんな状態です。

これまで指示ゼロ経営を実現した企業には共通点があります。

1、正解が分からずトップダウンの指示命令が機能しない
2、「こんな方向性」「こうなりたい」「こうありたい」と言った思いが共有されている
3、リーダーが自分1人の限界を認め、社員を頼りにしている
4、社長を含むメンバー同士の信頼関係がある

こうした状況の下で、「どうしよう? どうしよう?」と言っているうちに、やるべきことが観えてきて、気付けば「そうきたか!」という革新が起きます。

指示ゼロ経営の勉強をしていないのに、コロナ禍でこの状態になった組織が多いのですが、それは環境が整ったからだと考えています。

コロナ禍で、素早くユニークな商品を開発した企業

大阪でアスリート用のコスチュームなどを作っている、名和株式会社があります。
昨年の緊急事態宣言の直後、マスクの製造を始めメディアに取り上げられました。
マスクの製造を始めた企業は数多くありますが、同社がメディアに取り上げられたのには理由があります。
最初に不織布マスクが値段つり上がっているときに、手に取りやすい値段(感覚)で出したこと。
素材の良さを生かした着用感や呼吸、暑さへの対策です。

現時点で10万枚以上売れているそうです。

昨年、たくらみ屋が主催するオンラインイベントに社長の名和 史紘さんが登壇して、事のいきさつを語ってくれました。
その中で、まさに先程の4つの要件がありました。

1、コロナ禍で社長にも正解が分かりません。
2、そして、同社には「こうありたい」という確かな思いがあり、HPの社長挨拶に明確に書かれています。
すこく参考になるので隅々まで読んでね。

3、イベントの中で、名和社長は「この時代、自分1人では経営はできない」と言っていました。
4、名和社長は2017年に後継社長として就任しました。自分の代になり社員さんとの関係に悩んだ時期がありましたが、社員さんと根気よく対話を重ね信頼関係を築いてきました。

地道な積み重ねによって組織の文化が醸成されていき…そしてコロナ禍に入り、一気に組織が変容したのだと思います。
もし、名和社長に権限移譲の考え方があったら、こんな事は起きなかったと思います。

新時代のリーダーの心得だと思います!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

 

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