どんな社員教育よりも効果が出るチームワークの高め方
そもそも人間は集団を形成する生き物だから基本的にチームワークが得意なはずです。
まあ、個々の関係では色々とあるし、僕みたいに集団行動が苦手な人もいるけど、基本的に集団で活動することが刷り込まれています。
なのにチームワークが悪いということは、何か根本的な問題があると考えるのです。
しかも、それはメンバーの資質ではなくチームの文化です。
チームワークが形成されない環境を設定しているということ。
今日は、いくつかのケースでその環境を考えたいと思います。
一部の人だけが達成できる目標設定は競争を生む
今から70年以上も昔、ドイチェという学者が「競争と協働」という研究知見を発表しました。
それによると…
競争は一部の人だけが達成できる目標を設定すると必然的に起きる。
協働(共創)は1人では達成できない、みんなで力を合わせないと達成できない目標を設定すると起きるとされています。
う〜ん、分かるわ〜
僕が経営してきた会社で協働・共創が起きたキッカケは危機に直面した時でした。
その時に感じたのは、それまで個々が閉じこもっていたエゴの殻が一気に破れたことです。
「つまらないことに拘っていたら死んでしまう」そんな危機感が殻を壊したのです。
チームワークは環境で決まると考えています。
チームワークが悪くなる典型的な環境は成果主義賃金制度です。
これは決められた原資(パイ)を成績に応じ傾斜配分する制度です。
例えば、賞与のパイが100万円あったとして、それを「S・A・B・C・D」の5段階で評価して多い少ないを決めます。
これは、一部の人が達成できる環境でなので競争原理が働きます。
チームで取り組まないと達成できない目標は協働を生む
先日、第一生命保険が成果給の割合を減らすことを発表しました。
生活が安定しないので、社員の半数が入社6年以内に退職してしまうことへの対策だと言います。
採用と教育のコスト損失は相当なものだと思います。
が、僕はそれ以上の問題があると思っています。
それは、この知恵の時代、協働が起きないことの損失です。
成果主義も過剰な成果報酬も、協働・共創が起きない環境設定です。
これが今の時代に合わないのです。
今って、マジで正解が分からないから、とにかく推測したらすぐに行動する→検証→直すの繰り返しが求められます。
これって1人では難しいと思う。
1人の知恵には限界があるし、1人では行動→検証→直すの粘り強い繰り返しに耐えられないからです。
だから、課題は個々で取り組まずチーム単位で取り組む必要がある。
同時に、分断が起きるような制度を廃止することだと考えています。
チームで取り組むと、チーム内に花形もいれば縁の下の力持ちもいます。
1人1人が何らかの役者を演じて全体の成果を出す、しかも、変化に応じて役者が入れ替わるから、評価が難しいのです。
優れたチームほど「この成果は誰の手柄ですか?」と訊くと、「みんなの手柄です」と答えるもんね。
チームワークに問題を抱えていたとしたら、メンバーの資質を疑う前に環境がおかしくないかチェックするのが良いと思います。
なんせ、人間はチームワークを形成する本能があるのだから。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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