自社は仕事を愉しむ事を頑張る会社か? 自然と愉しさが湧き上がってくる会社か?

「愉しんでいるヤツに敵わない」という時代になった

仕事は人生の多くの時間を割くものだから、その時間から幸福が得られることが大切だと思う。
睡眠と同じで、気付けば朝になっているくらいの充実感…気付けば終業時間になっている、そんな働き方ができたら幸せだと思うのです。

幸福感は数値的な成果を出す事よりも大切、僕はそう思っています。
幸せが目的、数値は手段だと考えるからです。

しかし、そんな働き方が出来ている人は、まだまだ少ない。
求人サイトやビジネス情報を提供している株式会社ビズヒッツによる1000人を対象にした調査によると、84%が「働きたくない」と思った経験があるそうです。
これは驚く結果じゃない。
誰だってそんな時はあるからね。

それよりも気になったのが、その内訳と、それでも働く理由です。
働きたくない理由に関しては、人間関係のつらさが23%、疲れる・体がつらいが15%、労働条件の悪さが12%でした。
そして、「何にために働いているか?」という問いに対し、74%が「生活のため」と答えました。
ここから見えてくるのは、生活のために我慢して働いているという実態です。

これも驚く数字じゃない。
でも、経営者にとって看過してはいけない実態だと思います。
その理由は、モノの豊かさから心の豊かさへ変遷している今は創造性が求められ、それは愉しむことで発揮されるからです。
仕事を愉しむことで高価値の経営が実現するからです。

まさに「愉しんでいるヤツに敵わない」という時代だと思います。

さて、という事が理屈で分かったとしても、愉しむという事を実務に落とし込むのはもの凄く難しいのです。

社員の幸福を追求した結果、必然的に業績が良くなったという事実

以前に、イケイケな雰囲気の企業の朝礼にお邪魔したことがあります。
そこでは仕事を愉しむことが要求されていました。
だから社員さんは頑張って仕事を愉しんでいるようでしたが、そういうもんじゃないと思ったのです。
頑張るもんじゃない。
自然と湧き上がってくるのが愉しみってもんだと思うのです。

なぜ、この会社が愉しむことを頑張るのかと言えば、頑張らないと愉しめない環境だからだと思いました。

仕事の第一義は数値的な成果。
立てた目標は石にカジリついてでも達成する。

社員さんはいつも何かに追われていて緊張した毎日を送っている、だから頑張って愉しむ必要があるというわけです。

無理して元気を出したり愉しもうとすると心が疲れると思います。

他方、真逆の会社もあります。
例えば、ホワイト企業大賞を受賞した谷川クリーニングさんがそう。
同社には目標はありません。
ただ、質の向上への意欲があります。
それは、よりお客様に喜ばれる存在になることです。

社員さんは、日々、このことに集中しているので人としての輝きが眩しいのです。
湧き上がるような愉しさを仕事の行為から得ています。
そして、質が向上するから数値的な結果も手にしているのです。

ここで誤解を避けるために書きますが、同社は「業績向上のために社員の幸福を考えているわけじゃない」ということ。
「社員の幸福を追求した結果、必然的に業績が良くなっている」ということです。

経営陣(社長と奥様)のお話をお聞きして、「幸福の創造」が建前ではなく、商売の目的として揺るぎないのです。

私たちは何にために働いているのでしょうか?

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