賃金や出世で釣れない人が多い時代の新しい経営哲学
経済的な豊かさを測る指標はGNPですが、近年、GNH(国民総幸福量)が注目されています。
そもそも、経済も経営も人が幸せに生きるために発明されたものですが、どうやら世界はGNPが幸福に直結することに疑いを持ち始めたように思います。
イタリアの心理学者、ミハイ・チクセントミハイはアメリカにおける所得と幸福度の推移を調べました。
それによると、ある水準までは所得は幸福度に影響しますが、水準を超えると影響がほとんどないことが分かりました。
所得=幸福とは限らない、この傾向は、ここ30年ほどで進んだと思います。
僕は高校生の時にバブルを経験していますが、当時、リゲインのCMの「24時間戦えますか?」なんてキャッチコピーが流行りました。
今では若者に「ブラックじゃん」って言われると思う。
DCブランドブームもありました。
アイテムには、デーンと、これ見よがしにブランドロゴが踊っていました。
それに価値を感じていました。
当時、高校生なりにバイトで結構な金額を稼ぐことができ、学校をサボってパルコのグランバザールでブランド服を買ったのを覚えています。
今では、そんなスタイルはダサいと笑われますね。
もちろん、ブランドものは品質が良く、デザインも独自性が高く、それに惚れ込んで買う人もいます。
それは素敵な買い物だと思います。
ダサいのは「オレ、ブランドもの持ってるぜ」という変なステータスです。
ウチの息子は、そんなものを羨むことほどバカバカしいことはないと言います。
その理由は、多くの人が欲しくても買えないものを持っているという優越感、自己顕示欲を満たす消費なのだから、羨望の眼差しを向ければ向けるほど、所有者の欲が満たされるだけだからです。
だから自分の軸を持つことを大切にするのだと思います。
例えば、数年前の話ですが、先進的な若者の間で、しまむらで買った服に自分なりに手を加えてアレンジするのが流行ったそうです。
それを見た多くの人が「そっちの方がカッコいい」と思ったのです。
最近、多くの経営者が、「そんな若者が入社してきて、賃金や出世ではモチベーションを刺激できないと」ぼやきます。
一方で、幸福度を重視した経営をされている方は、「その方が業績が良くなる」と言います。
どんなカラクリで業績が良くなるのかと聞くと、仕事に意義を感じ、仕事そのものから幸福感を得られると、非常に創造性を発揮するからだと言います。
また、幸福に最も影響を与える要因に人間関係がありますが、人間関係が良い職場では業務の流れが良くなるし、仲間同士が学び合い、すくすくと成長します。
幸福度という尺度で経営を観る時代だと痛感しているのです。
あと10年もすると…世界は大きく変わっているかもしれませんね。
それでは今日もハッピーな1日をお過ごしください!
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