企業は「体格」ではなく「体質」が重要。体質チェック3つの視点

健康維持のために人間ドックが必要なように、企業にも定期検診が必要だと思います。
ともすると企業は体格の向上ばかりに目が行き、肝心な体質がなおざりになりがちです。
気づくと図体はデカイが、足は遅いわ体は固いはすぐに風邪を引くわの弱い組織になってしまいます。

今日の記事では組織の体質をチェックし健全化を図る方法について考えてみたいと思います。

体質を測る3つのポイント

よく、「ウチは指示ゼロ経営になっているか?」という相談を受けますが、その多くは指示命令があるかどうか?にフォーカスしています。
この相談に対し、僕は「現場で働く社員さんがイキイキ、ノビノビと働き、すくすく育っていればOKだと思います」とお答えします。

現場の状態で判断します。

□ノルマや上司からのプレッシャーなど、何かに追われているのではなく純粋に仕事を愉しんでいること
□自分たちで考え決め行動していること
□自分に誇りが持てると同時に、仲間に感謝できること

この3つが指示ゼロ経営が目指す状態であり、組織の健全性を測る基準です。
この状態を維持したまま成長できれば最高ですよね。

さて、この状態をひとことで表現すると「動的」と言えます。
会社にお邪魔すると、社員さん同士で何かを話し合い決めていたり、仲間同士の助け合いが起きていたり、行くたびに何かが変わっています。

一方、静的な組織では、上司の目やツッコミ、評価を気にしている、個々に割り当てられた仕事だけをしている、会議では個々の進捗のチェックだけ、1年ぶりに行ってもほとんど変化がない…そんな光景が見られます。

世の中がもの凄いスピードで変化しているのに、組織が固まっていたら変化に対応できないと思います。

現場が主体となって変化をつくり出すことが大切だと考えるのです。

現場が主体となって変化をつくり出しているか?

最近、東証マザーズに上場した「バルミューダ」がまさに動的な経営をしています。
一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生が同社を取材し、パンを焼くトースターの開発秘話が面白かったとおっしゃっていました。

1台2万円もするトースターは社内のバーベキュー大会で生まれたと言います。
ある社員が面白がって炭火でパンを焼いたところ、表面はカリッと焼け、中身はふっくらしたパンが焼けたそうです。

この偶然から「世界一のトースト」をコンセプトに研究開発がなされたそうです。
「世界一のトースター」ではなく「トースト」ってのが、お客様目線で素敵ですよね?

4000枚のパンを焼くという試行錯誤の末、最高のトースターが完成しました。

この事例から学ぶべきは柔軟性だと思いました。
普通、決められた事業計画以外のことはしませんよね?する暇もないし。
上が決めた計画を、社員は遂行するという構図だと、変更すると現場が混乱するのでリーダーもやりたくありません。

しかし、現場の遊びゴコロで偶然に発見したものだから、現場も変化を生み出す意欲が高まると思います。
しかもパンを焼くというユーザー体験から生まれたものだから生活者の感性を掴む。

4000回もの試行錯誤をした粘り強さも、自分たちで決めたことだからだと思います。

こんな状態でいれば、どんな時代になっても生き残っていけると思います。

企業は体格ではなく体質が重要。
体質は現場の姿に現れます。

□ノルマや上司からのプレッシャーなど、何かに追われているのではなく純粋に仕事を愉しんでいること
□自分たちで考え決め行動していること
□自分に誇りが持てると同時に、仲間に感謝できること

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