ダメな会議の代表である「まとまらない会議」が今、重要であるワケ

通常、ミーティングではできるだけ早く結論にたどり着くことを良しとします。
ダラダラとまとまらないミーティングは効率が悪いと一蹴されますよね?
だから、ファシリテーターが求められます。

しかし指示ゼロ経営では、まとまらないミーティングを歓迎します。
たまに…年に3〜4回くらいが良いと思いますが必要だと考えるのです。

なぜか?
そして、それはどんなミーティングなのか?
今日は、その真相に迫ります。

答えのない漠然とした問いについて考えるから文化ができる

ミーティングをスムーズに進めるためには「適切な問い」が必要です。
これがファシリテーターの腕の見せどころです。
例えば、マネジャーを対象にした勉強会で「良い上司とは」という問いを出すと、それぞれの価値観に基づいた意見が出ます。
「ビジョンを明確に示しグイグイ引っ張る上司」「部下の主体性を尊重し、自分は支援に回る上司」
などと。

漠然とした問いを投げかけると、返ってくる答えが幅広くなり、まとめる事ができなくなる事があります。

だから、例えば、「これまであなたが出会った、勇気づける言葉をかけてくれた上司」と的を絞った問いを投げかけた方が良いのです。

そもそもミーティングは何かの課題を解決するために行うので、課題を絞り込むことが重要です。

しかし、非常に文化が醸成された組織では、逆のこともしています。
課題が明確な会議もあるのですが、一方で常に漠然とした問いを持っているのです。
例えば、「良い会社とは?」「幸せな働き方とは?」と言ったものです。

これらには正解はありません。
人によって考えは違うし、時代によっても変わると思います。
終わりなき「道」と言っても良いものだと思います。

本当に大切な事は結論の出ない会議で理解される

例えば、僕の地元に伊那食品工業株式会社があります。
社是は「いい会社をつくりましょう」です。
漠然としていますよね?

同社に勤める僕の友人に「いい会社とはどんな会社?」と訊くと、それぞれ違う答えが返ってきます。
しかし、よく聞くと文言こそ違えど同じようなニュアンスなのです。
これが頭ではなく心で理解しているということなのだと思います。

「侘び寂び」が意味を知っただけでは解らないように、文化・風土など大切なことは永遠の問いを持ち、考え続けることが大切なのだと思います。

僕の友人の会社では、自社の信条をもとにした朝礼を行っています。
「一生、記憶に残るおもてなし」という信条なのですが、これにも正解はありません。
朝礼では「もしかしたら、昨日の自分の行動は信条に繋がるかもしれない」といった発表をしています。

そして出た意見は、一切まとめることをせずに、肯定も否定もせずに、そのままにしています。
正解がないのでジャッジができないからです。

しかし、確実に「道」が浮かび上がってきてると言います。

本当に大切なことは正解が分かりづらく、到達点がないもの。
だから効率追求ではない、文化を醸成する場を持つことが大切だと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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