組織は「ある時」を境に急に変わる。その時までにやるべき2つの事
新しいことに挑戦する時、必ずと言ってほど組織内で反対する人が出ます。
特に、安定成長を続けてきた組織ではなおさらです。
人はなかなか変われない生き物ですが、これが組織になると、もっとややこしくなります。
リーダーの「変わらなくちゃ」という危機感、あるいは「こうしたい」という希望を、どうすれば受け入れてくれるのでしょうか?
正確でタイムリーな情報公開が健全な危機感を生む
行動経済学には「人は損をしたくない」という原則があります。
例えば、当たりとハズレが半々のクジがあったとします。
当たりを引けば1万円がもらえるが、ハズレを引いたら5000円を払わなければいけないというルールです。
辞退するという選択肢もある。
確率は50%、当たった時の報酬は倍なのですから条件の良いクジですが、辞退する人が多いそうです。
さからに、辞退しても3000円もらえるという条件をつけると、さらに挑戦者は減ります。
これを現実の経営に当てはめると、こうなります。
挑戦すれば一攫千金の可能性がある。
でも、失敗すれば損失を被る。
挑戦しなくても、しばらくは給料は減らない。
こりゃ、挑戦できないわけだわ…
しかし、対策はあります。
損をしたくないという性質を活かした方法です。
例えば、星野リゾートではコロナ禍で「自社の倒産確率」を社員に公開しするようにしました。
2020年6月の段階で40.1%の数値が共有されたそうですが、それから社員が自律的に動き出し、8月には18.3%にまで回復したそうです。
正確でタイムリーな情報公開が欠かせないと考えます。
一気に変わる「その時」のためにプロトタイプをつくる
これは僕の憶測ですが、同社がわずか2ヶ月で立て直したのには、ある背景があると考えています。
それは、すでにプロトタイプがあったということです。
どういうことか?
昔から「組織は2:6:2」と言いますよね。
最初の2割は、例のクジを引くタイプです。
真ん中の6割は安全が確認されてから動くタイプと言われています。
最後の2割は意地でも動かない人たち…いまだにガラケーを使っている人たちね 笑
ちなみに、僕のセミナーに参加される方には「最初の2割」が多いですが、その方たちには特有の悩みがあります。
「周りが理解してくれない」というものです。
しかし、情報公開さえなされていたら時間の問題だと考えています。
危機が迫るのが分かるから。
情報公開により危機をリアルに感じた時に、真ん中の6割が動こうとします。
彼らの動機は安全ですので、最初の2割がある程度の実績(プロトタイプ)を作っておけば、一気に伝播するからです。
だから「その時」が来るまで実績を作りましょうという話になるわけです。
新しいことに挑戦する時、最後の2割は反対しますし、真ん中の6割は怖がります。
だから、最初から「やるぞー!」とはならないのが自然だと思います。
でも、腐っちゃいけません。
ドラマはここからはじまるのですから。
情報公開とプロトタイプづくり、この2つを整えることだと考えます。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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