「あの時に対策しておくべきだった」の「あの時」を見極める方法
企業風土はある日を境に一気に変わってしまう
「何で、こんなになるまで放置しておいたの?」…私たちは子どもの頃からそんな事を言われてきました。
経営においてもそんな事があります。
悪化してから振り返れば、あの時に対策しておくべきだったって事はありますよね。
でも、あの時には、こんなことになるなんて思わなかった、そんなケースがあります。
例えば、組織の風土が悪くなるケースです。
風土は徐々に悪くなるのではなく、ある時を境に一気に悪化します。
夏休みの宿題をサボれば、最後に苦労するという単純なものとは違う、読みづらいものね。
これは新型コロナウィルスの拡大でも見られました。
第3波が来てから「もっと早く手を打つべきだった」と言いますが、これは非常に難しい。
難しいのは予測ではなく、世間の空気の上で難しい。
なぜならば、困っていないうちに手を打つと苦情が出るからです。
感染の拡大と収束のスピードを測る「K値」の理論によると、感染の第1段階は、最初はマスクをつけずにどんちゃん騒ぎをするような場から始まります。
この時点では危機感は生まれません。
第2段階は、感染者が家族に伝染す段階です。
この時点で一気に急増し危機感を持つようになります。
そして、「何で、こんなになるまで放置しておいたの?」と言い出す。
しかし、最初の段階で手を打つと「なんで増えていないのに活動を自粛せにゃならんのだ?」と苦情が出ます。
だから手が打ちづらい。
同じことは企業でも起きます。
一気に変わるような性質のもの…風土とか事業の衰退などです。
チームを傾向性で観て、ベストタイミングで手を打つ
組織の風土の変化は徐々に起こり、臨界点を超えた時に一気に拡大します。
例えば、仕事をサボる風土です。
最初は、一部のスタッフに限定されていますが、サボるスタッフの近くにいる人に伝染ります。
例えば、10人のチーム内にサボる人が2人いたとします。
2:6:2と言いますから、そんなスタッフがいてもマイノリティだから平気と思ってしまいます。
しかし、その2人と仲が良い人は「自分の周りにはサボる人が多い」と認識し、自分もサボる可能性があります。
3人になると、彼らと接する人の数も増え、徐々に増えていきます。
そして、臨界点を超えると「こんなにサボる人がいる職場で、自分だけが頑張っても意味がない」と思う人が急増し一気に拡大するのです。
気づけば手がつけられなくなっていますが、火種は初期にあったのです。
集団内に「空気」ができるのは本当に怖いことだと思います。
だからリーダーには、「空気がどんな方向に向かっているか、傾向性を観る視点」が求められると思うのです。
そして、悪い方向に向かおうとしている時は、悪くなる時は一気に来るというメカニズムとともに、現状をスタッフと共有することだと。
リーダー1人の力で防ぐことは難しいからです。
共有しても全員が理解してくれるわけではありません。
やはり、最初は1割〜2割程度だと思います。
しかし、リーダーはその動きを全体に広げるサポートをすることが重要だと考えます。
彼らの行動に感謝し、社内報などを使い全体に報せるなど、彼らの行動にスポットライトを当てるのです。
人の集団は生き物のように揺れ動きます。
安定しているように見えても空気が良し悪し、どちらかの方向に動いています。
傾向性で観る視点が求められる、そう痛感するのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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