社長が現場にいないとダメになる会社に足りないもの
「社長は現場に出て目を光らせなさい」…よく、そんな事を言う人がいます。
これは社長が現場を離れたことで会社がおかしくなる事があるからだと思います。
でも、社長がいつも現場にいかなきゃ動かない方が問題があると思います。
社員は育たないし、何よりも社長が人と会い新しいメシの種を探すことができなくなります。
長い目で見ると得なことではないと思います。
でも、社長が現場にいないとダメになる事はよくあることです。
よく、会社が上手くいって講演会などで会社を空けるとおかしくなるという話を聞きます。
どうしてそうなるのか?
どうすれば現場を離れられるのでしょうか?
4つの段階で上手にスタッフから離れていく
まだ十分にスタッフとチームが育っていない時は現場にいることが大切だと考えています。
そこから上手に離れていくのです。
この件に関して、教育界の金言「子育て4訓」ほど的確に言い得ているものはないと思います。
1、乳児はしっかり肌を離すな
2、幼児は肌を離せ、手を離すな
3、少年は手を離せ、眼を離すな
4、青年は眼を離せ、心を離すな
上手に離していくことで育つという話しです。
新入社員は文字通り「手取り足取り」教える必要があります。
ただし、何も社長が教えなくても済むことは仲間が教えた方が良い。
その方が教える側も育つからです。
次の手を離して眼を離さずの段階はどんなものでしょうか?
いちいち口出しせずに任せることだと思います。
例えば、会議などでリーダーも同席するが、喋らずに見守るような関わり方です。
先ほどの、「会社が上手くいって講演会などで会社を空けるとおかしくなる」というのは、この段階で会社を空けてしまうことで起きるのだと考えています。
最後まで心を離さず、関心を持ち可能性を信頼すること
最後の段階…眼を話すが心を離さずの段階になると、リーダーは会社を空けることができます。
でも、心は目に見えませんので、この状態がどんなものかを説明するのは難しい。
これを説明するのに、先日、夢新聞の講師の事例が最適だと思います。
まずは夢新聞について。
夢新聞とは、将来自分が夢を叶えて大活躍し新聞に載ったと想像し、その新聞を描くワークショップで、主に学校で行っています。
クラスに「制限時間までに全員、1人残らず夢新聞を完成させる」というミッションを与えます。
講師は一切手助けせず、すべて自分たちの協働でやってもらいます。
自律的な行動を学ぶキャリア教育です。
講師は、本当に手助けしてはいけないというルールがあります。
というかクラスの人数が10人を超えると、講師の力ではどうしようもなりません。
講師にできることは「信頼して見守ること」だけです。
言い方を変えれば「諦めないこと」
実は、ミッションの達成率は20%ほどで、ほとんどが達成できません。
ワークの途中で「こりゃ無理かも」と思ってしまうのですが、ここで信頼できるかどうかで集団の様子が変わるのです。
とても不思議ですが、僕は1万人ほどを見てきて確信を持っています。
講師は途中、何度も葛藤を経験します。
まったく動かない子どもたちに失望したり、助け合う姿に感動したり、でも時間までに終わらないかも?と不安になったりと…
これ企業におけるリーダーの心境と同じだと思います。
先日のワークショップが終わり、3人の講師に「講師にとって一番大切なことは?」と問うたら、全員が「信頼すること」と答えました。
現場を体験した人だからこそ分かる感覚なのだと思います。
社長が会社を空けたいのなら、上手に段階を踏んで離れていくこと。
でも、最後まで心を離さず、関心を持ち可能性を信頼することだと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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