リーダーは、個々の部下ではなく「集団まるごと」育てる発想を持つ
部下の個別指導に限界がある2つの理由
経営者・マネージャーの中には「チームの隅々まで目が行き届かない」という悩みを抱える方がいます。
また、個別指導で悩む方もいます。
部下が3人くらいなら努力でどうにかなると思いますが、それ以上になると個別指導は難しいと考えます。
その理由は2つ。
1つは時間的な制約です。
上司にも自分の仕事があります。限られた時間を部下の指導に当てますが、その多くは悩みを抱えていたり問題のある部下に割かれます。
普通以上の部下はほとんど関わってもらえないことになると思います。
すると、怖いことに問題を起こす部下が出ることがあるのです。
そうすると上司が関わってくれると思うからです。
大した問題でもないのに悩み相談に来るようになる、とても損なことだと思います。
個別指導が難しいもう1つの理由は、指導の複雑さにあります。
部下の教育課題は、「意欲」と「スキル」の2つの側面があります。
意欲もスキルも低い部下
従来の代表的なリーダシップ論では、両方が低い部下に対しては、指示100で引っ張り、アメとムチの使い分けが有効とされています。
本当にその通りだと思います。
意欲は高いがスキルは低い部下
次に、ヤル気だけでも高まった場合です。
技術的な指導をしながら進めることで解決します。
意欲は低いがスキルは高い部下
これは「やればできる子」…YarebaDekiruKo…YDKのタイプです。
その気になりさえすれば良いのだから、説得が有効になります。
意欲もスキルも高い部下
課題だけ明確にすれば勝手にやる、上司からすれば有り難い部下です。
放任でOKです。
リーダーの指導役割を集団内に分散させる
この考え方では、部下の成長に合わせて接し方を変えていきます。
とても合理的な方法ですが、しかし、僕は上手くできませんでした。
その理由は、接し方をコロコロと変えることができなかったからです。
さらに、僕に能力がなかったからです。
「よし!○○君は、スキルは低いがヤル気だけは高まったから、今日から指導を強化するか!」なんて器用な真似はできません。
僕は指示ゼロ経営をはじめてから、この悩みが消えました。
学習し合う集団になったからです。
具体的には、僕の役割を集団に分散したのです。
例えば、社員の中の「ヤル気は低いがスキルが高い人」が「ヤル気は高いがスキルが低い人」に教えると双方の低い部分が高まります。
ヤル気もスキルも低い社員は、教えてもらってばっかりですが、それで良いのです。
なぜなら、教えた人が最も学習するからです。
ヤル気もスキルも高い人は、イノベーターとなり成功事例を作ります。
その様子を見た周りの社員に行動が伝播していきます。
集団に分散すると、こんな事が起きます。
ただし、これには共創の文化が必要だと思います。
「自分だけできれば良い」という考え方の部下が多いと上手くいきません。
指示ゼロ経営には「本人ではなく、周りの社員の行動を変える」という基本的な考え方がありますが、学習する集団はそれができるのだと考えます。
社員の中には社長よりもモチベート(他人をその気にさせる力)が得意な人がいます。
社長よりも、ある部分ではスキルが高い人がいます。
彼ら、彼女らに活躍してもらうのがベストだと考えるのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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