社長が自分にはできない事を認めたときに、社員は真の力を発揮する

土曜日に行った「おとなの夢新聞」は参加者の半数が障がいを持った方でした。
主催は、長野市を拠点に福祉活動をしている団体「ハッピースポットクラブ」
http://happyspotclub.org

事故で身体が動かなくなってしまった方、耳が聴こえない方、発達障がい…
僕は、障がいというものが一体なんだろうか?と考えさせられました。
だって、出来る事と出来ない事があるという意味では、すべての人が同じだもんね。
彼らと一緒に時間を過ごし色んな事に気付きましたが、今日は社員が活きる経営は、社長が、自分に出来ないことを素直に認めることから始まるという気付きを書きたいと思います。

障がい者の男性の夢が賛同者を呼ぶ

参加者の中で、事故で身体が動かなくなってしまった方がいました。
電動式のクルマ椅子で登場した姿を見て、僕は不安になりました。
自分で書くことができるのだろうか?さらに言えば、夢を描くことができるのだろうか?

夢新聞を書く前に、簡単な書き方の説明をするのですが、子どもと違って大人の場合、現実の枠組みに縛られて夢や目標を描けない方がいます。
その枠組を外すために、過去の経験で得たものや、自分の特性・才能を洗い出す作業をします。今持っているもので誰かに喜ばれる領域をゲーム感覚で探り、それを夢新聞にします。

いや〜、汗をかきましたよ…
僕の勝手な思い込みで、彼は持っているものよりも足りないものに視点が行っちゃうんじゃないかと心配したんです。
でも、それは杞憂でした。
そんな次元にはいない。

気が付くと、彼はサポーターと二人三脚で夢新聞を書いていました。
自分1人では書くことができないなら、誰かの助けを借りることに躊躇がないんですね。
いや、おそらくは、そうなるまでには相当な葛藤があったと思います。
これまで自分1人で出来たことができなくなった辛さは、僕には想像できないほどのものだったはず

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そして描いた夢がすごい。
今やっている障がい者を支援する活動が世界に広がったという夢です。
過去の経験で得たものや、自分の特性・才能を洗い出す作業をする中で、自分自身の経験をもって障がい者の勇気づけをするという趣旨が書かれていました。

これが完成した夢新聞

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彼の構想を、サポーターの女性が代筆したのですが、すごい迫力ですよね。
後で彼女に聞いたら「彼の夢のお手伝いができるなら全力を尽くしたいと思った」と言っていました。

社員は手足ではなく「頭脳」

僕はこの様子を見て、経営と同じだと思いました。
社員は、共通の目的を共有したパートナーであるということです。
そして、社長に出来ない事をしてもらう存在だということ。
夢新聞の彼と、サポーターの彼女のような関係です。

社長が自分でできるが、時間的・物理的制約があってできない事を社員にしてもらうという「手足」の発想では、社長の限界が事業の限界になってしまいます。

そうではなくて「頭脳」という発想…自分に出来ないことを認め、信頼して任せる勇気があるか?

人には出来る事と出来ない事があるから、パートナーが必要。
だから人材を「人財」と書くのだと、すごく納得しました。

求人とは、社長が描く構想の賛同者を集める行為
マネジメントとは、構想の中で自分には出来ない事を任せる行為。

描いた構想が大きければ大きいほど大切な心構えだと思います。
それでは今週もがんばりましょう!

また明日!