80の力があるのに60しか出さないヤツを評価せよ
「80の力があるのに60しか出さないヤツより、60の力しかないけど60を出し切るヤツを評価する」
僕が社会人になった時に上司から言われた言葉です。
日々是決戦…毎日、全力投球せよという精神論です。
なんだか妙な説得力があり「うんうん」と頷いたことを覚えています。
その後も、この言葉を何度か耳にしました。
でも、たくらみ屋の相棒、森本繁生に出会ってから、それが「科学的に」間違いであることを知りました。
「80の力があるのに60しか出さないヤツ」がいた方がチーム全体の成果が出るのです。
全力を尽くした結果、損をする…そんな事が起きている
森本さんは、このことを流しソーメンに例えて教えてくれました。
ソーメンを投入する人が80の能力に対し食べる側が60しか能力がなければ、80フルで流したらどうなるか?
20は食べきれずに流れていきバケツに入ります。
それを再投入するわけですが、手間がかかるしなんだか不衛生な感じがします。
80の能力があっても相手に合わせ60に抑えたほうが良いわけです。
実際の職場でも同じことが起きます。
例えば、僕が経営してきた新聞店では、この時期に年賀状印刷のサービスをしています。
ウリは完成品を新聞と一緒に届けることが出来るし、支払いは新聞代に加算するのでお客様は楽チンなのです。
業務の流れはこう。
受注→見本制作→校正→印刷→検品&包装→配達→請求
この流れの中で一番弱いところは検品&包装です。
ここでは毎日、残業が多くヒーヒー言っていました。
しかし、毎日毎日、頑張って包装を終える頃には配達部門の人間は帰ってしまっているのです。
つまり梱包は、その日に作業しなくて良い分まで頑張っていたわけです。
どうしてこういう事が起きるのかと言えば、包装より手前の人たちがたくさん流してくるからです。
不要な残業は増えるし、焦って検品するので不良品があっても見落としクレームになることも多くありました。
手間もコストも労力もかかりますよね?
全力を尽くした結果、損をする…そんなことが起きたのです。
ゆとりは創造性の源である
森本さんは「7割で回せ」と言います。
3割をバッファ(ゆとり)として確保した方が全体として成果を上げることができると言います。
僕は、これを聞いた時にGoogle社の「20%ルール」を思い出しました。
同社では勤務時間の20%を通常業務以外のことに使うことができるそうで、Google Mapなど秀逸なサービスがこの時間から生まれたと言います。
どうやら、ゆとりと創造性には相関関係があるらしいのです。
特許の取得数が多いことで有名な未来工業株式会社は労働時間が非常に短く、基本的に残業はしないそうです。
10年ほど前に会社にお邪魔して創業者の山田昭男さんの話を聞いたことがあります。
「早く家に帰り、家族との時間や趣味などに時間を使うことが創造性につながる」という趣旨のことを言っていたことを覚えています。
80の力があるのに60しか出さない…サボっているのではなく全体を観ての判断であれば正解なのです。
それでは今日も素敵な1日を!
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