社長にとっての最も重要な仕事は「社員に謝ること」
社長に謝る社員はよく見ますが、社員に謝る社長はあまり見たことがありません。
でも、すごいリーダーは社員に謝ることができます。
社長は「自分の方が上」という意識が心のどこかにあると思います。
実力的にも立場的にも、もしかすると人間的にも上なんて思っているかもしれません。
だから、謝れない。
偉そうに言っている僕も、社長時代に社員に謝ったことは数回しかありません。
でも、謝ることは社長にとって最も重要な仕事だと思うのです。
社員が社長に謝るのは基本的に変なことだと思う
仕事で結果を出せずに社長、上司に謝る社員を見るたびに、これって変な構図だなぁと思います。
なぜならば、全ての最終責任はリーダーにあるからです。
だから謝るべきはリーダーだと思うのです。
社員が謝ることは事実上、社員に責任を取らせたことになる。
ここで責任論について深く考えたいと思います。
責任には3種類あります。
1、取る責任
2、果たす責任
3、取らされる責任
部下に仕事を任せるという事は、責任論において、とても覚悟が要ることだと思います。
「責任は私が取るから自由にやってくれ」ということだからです。
取る責任はリーダーにしか負えませんよね?
では部下はどんな責任を負うのか?
2の果たす責任です。
任されるというのは「自分で考える」→「行動する」→「行動したことによる変化・成果を自分で検証する」→「次に活かす」
このサイクルを主体的に行うことです。
任されるというのは大変なことだと思います。
でも、その方が仕事が愉しくなりますし、リーダーの限界を超えた知恵が出るので組織としても大きな成果を出すことができます。
また、リーダーも常に正解を示し続けることは不可能なので、持続的な成長ができます。
社員がリーダーに謝るのは、途中でサイクルを止めてしまった場合のみだと思います。
人間関係に関しても同じことが言える
これは社員同士の人間関係に関しても同様だと考えています。
人間関係の向上に努めるのは全員の責任(果たす責任)ですが、最終的な結果はリーダーが負います。
僕は、社長から社員同士の人間関係に関する相談を受けることも多いですが、これが一番、難しい相談です。
協働することは僕は道徳の話ではなく損得で考えています。
協働はチームとして成果を出す最も有効な方法です。
チームとして成果を出すことが結果的に1人1人にとって得なことだから、頭で考えれば協働は簡単なことです。
しかし人間は感情の生き物ですから、頭の理解で済むものでもありません。
「仲間を助ける事が自分にとっても得だと分かっちゃいるが、アイツだけは助けたくない」ってことはどんな職場でもあると思います。
でも、別に「好きになれ」って言っている訳じゃない。
仕事の仲間と割り切って、上手に折り合いをつければ良いと考えるのです。
全員が仲良し、なんて事は、「イマジン」を歌うジョンレノンにもできなかったし、「世界に一つだけの花」を歌うSMAPでもできなかったこと。
さて、社員同士の人間関係で悩む社長はどうするのが一番良いのでしょうか?
取りも直さず、謝ることだと思います。
「ごめん。こんな状態になっているのは私の責任だ」
その上で、「どうすれば上手に折り合いがつけられるか、一緒に考えよう」と問うことだと思います。
リーダーが謝る勇気を持つと、部下は前に進む勇気が出ると思います。
責任を取るというと辞任するとか腹を切るとか、そういうものを想像してしまいますが、謝ることだと僕は考えています。
それで社員に責められるか?
そんなことはないと思います。
謝れるリーダーのもとで人と組織が育つ、そう思うのです。
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