人を育てる事と、チームを育てる事はまったく違う
よく、リーダー、マネージャーが「ウチのメンバーは1人1人は良い人なんだけど、チームとしてはまだまだ」という話を聞きます。
これ、真理が語られていると思います。
メンバー1人1人を育てればチームも育つかと言えば、必ずしもそうではありません。
個々を育てることは必要条件だが十分ではない。
チームとは1つの生命体のようなものだと考えています。
だからチームを育てるという別の発想が求められるのです。
今日の記事ではチームの育て方について考えたいと思います。
自立したスタッフが集まってもチームとして強くなるとは限らない
冒頭の「個々が育てばチームが育つ」という勘違いは僕もしていました。
指示ゼロ経営を18年間やってきましたが、最初の10年は上手くいきませんでした。
僕は、個々の社員に自立を求めていました。
自立した個々が集まった集団が自律型組織になると考えていたのです。
しかし、それが間違いであることを知ったのは、ある学者の研究知見でした。
その先生は、学校で起きるイジメを題材に人の集団を研究されています。
イジメが起きると、先生は当事者を個別指導しますよね?
そうすると「イジメは良くないこと」と分かってもらえます。
しかし、なのに集団に戻るとまたやってしまうのです。
どうやら集団には個の力を超えた「何か」があるということです。
研究知見では集団のメカニズムが見事に説明されていました。
イジメが止まるかどうかは、イジメている本人ではなく、周りの子で決まるということです。
具体的には、周りの子の「傍観者の割合」で決まるということです。
イジメを止める子が一定割合を超えるとクラスからイジメが消えるのです。
個々を見るのではなく全体を観る視点が大切だということです。
集団が理想の方向に向かうサポートをする事が集団を育てるという事
これは職場にも言えます。
1人1人が育ってもチームとして成果が上がらない原因は共創ができていないことにあります。
・知恵を共有しない
・助け合わない
1人の知恵には限界があります。
文殊の知恵が生まれるように知恵を共有しワイガヤで話し合うことが大切です。
助け合えば仕事の流れが良くなります。
自分は仕事が済んでも、次工程で滞っていたらチームとしては成果は出せませんからね。
つまり、チームとして成果を出せないのは傍観者が多いということ。
だから、傍観をやめて全体として成果を出すような行動が広がるような工夫が求められると考えるのです。
さて、どうすれば傍観者が減り、全体貢献の行動者が増えるのでしょうか?
イジメの話しに戻ります。
まずは、リーダーの「ウチのクラスでは絶対にイジメを起こさせない」という強い決意が必要で、それを全員に伝えることです。
次に、行動者を増やすこと。
最初にイジメを止めるのは、勇気があるたった1人です。
そのたった1人を先生が守ることが欠かせません。
すると次に、最初の1人が出れば自分も止めるという子が現れます。
先生は、その子に感謝するとともに守ることです。
止める人が2人いれば自分も止めるという子は2人くらい出ます。
4人になれば自分も止めるという人は4人くらいいます。
仮に30人のクラスであれば、8人は26%…大きな勢力です。
イジメの当時者も分が悪くなります。
集団が理想の方向に向かうサポートをすること…これが集団を育てるということだと考えます。
学校の事例は職場でも応用ができるはず。
個々を育てるのに限界を感じたら、チームの育成に目を向けてみてはいかがでしょうか?
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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