後継社長が会社の方針を変えると辞める人が出る、その時の対応
方針を変えたことで辞める人が出ても絶対に引き止めない
社長にとって社員の退職、特に否定的な理由で辞める時はショックを受けると思います。
リクナビNEXTの調査によると退職理由の上位は
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった
2位:労働時間・環境が不満だった
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった
となっています。
要するに気に入らないことがあったという事です 笑
この中で僕が注目しているのが1位の「上司・経営者の仕事の仕方」です。
もし、経営者があまりにも独善的、ブラックな場合は改善が必要ですが、そういうケースは稀だと考えています。
会社の方針と自分の考えが合わなくなったというケースが多いのだと。
この場合、組織が良くなる前兆だと考えています。
そんなケースを多く見てきました。
特に2代目、3代目の後継社長は先代のやり方を変えることが多く、そのことで辞める社員が出ることが多いと思います。
その時には「絶対に」引き止めないことが重要だと考えます。
その理由は、引き止めると、中には「いてやっている」という態度になる人が出て、改革の妨げになるからです。
正直、僕は引き止めたことで後悔したことがあります。
当社の先代は指示100の鬼軍曹、カリスマでした。
後を継いだ僕にはカリスマ性はありませんし、リーダーにも正解が分からない時代を予感していたので、社員さんの知恵を借りる経営にシフトチェンジしました。
親分の言うことを聞くのが仕事だった社員さんに自分で考えることを求めたのだから退職する人が相次ぎました。
新聞販売店は人手に頼る職種なので、辞められると仕事が回らず困るので引き止めましたが、その結果、社長として言うべきことが言えなくなってしまいました。
去る者は追わずの確固たる姿勢が必要だったのです。
健全な入れ替えができるように採用力を身につける
僕が引き止めてしまったのには、もう1つ理由があります。
それは採用力が弱かったことです。
新聞店で働くことが夢だなんて人はほとんどいません。
これは、小さく知名度の低い中小零細企業、しかも古い業種の企業の現実だと思います。
求人をかけても人が来ないことが分かっていたので自分を曲げてしまったのです。
でも、僕の「小さく知名度の低い企業に人は来ない」という考えは間違っていたと、今では確信しています。
夢がある企業にはやり甲斐を求める人材が集まるのです。
有名大学の新卒は来ませんが、やり甲斐を持った人は来ます。
最初はビジネスの知識がなくてもグングンと吸収しますので数年後にはスーパー社員になる可能性が存分にあります。
そういう人に来てもらうためには、求人のメッセージを変える必要があると考えます。
仮に、今は普通の中小零細企業であっても「こんな事をたくらんでいる」と、思いと方向性を明確に書くことです。
そして、求職者が自社で働くイメージを書くことです。
例えば、ある会社では勤務時間を大幅に減らし、その分、付加価値の高い商いを目指すという方向性を持っています。
その理由は、仕事漬けの人生は豊かではないという人生観を持っているからです。
同時に、時短はメンバー全員で考えなければ実現せず、また、付加価値の高い仕事には創造性が求められると考えています。
求人の際には、時短とともに自ら決め行動し、創造的な仕事を喜び、醍醐味を謳っています。
行き先が変われば降りる人が出るのは当然のことです。
その時に、ブレない軸を持ち、健全な入れ替えができるように採用力を豊かにすることが欠かせないと考えています。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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