社長がお客様の都合よりも社内の都合を優先するようになったら終わりの始まり
日本郵政の社員が持続化給付金を受け取ったことが問題になっています。
新型コロナとは関係ない、昨年に発覚した不適切な勧誘による営業自粛で減少した分で申請したとのこと。
120人が申請したそうで、僕も呆れてしまいました。
どうして次から次へと呆れるような問題が出るのかと、呆れを通り越して興味が湧いてしまいました。
そこで社会心理学の研究知見を借り、カラクリを探ってみました。
これは他人事ではないと考えています。
どんな会社でも陥る危険性があると考えています。
村社会の組織が商売をすると変な問題が起きる
日本郵政の問題は「役所が商売をしたこと」が原因だと考えます。
民営化される前は公社だったわけで、その時の役所体質が色濃く残っていると思います。
役所組織は典型的な「村社会」です。
専門用語で「集団主義社会」と言います。
そこに属する人の最優先事項は集団内部の安定を維持することにあります。
だから決り文句が「前例がないことはやらない」になる。
村社会では外部の血を入れることを嫌います。
ガラパゴス化して、世間の常識とかけ離れた独自の道徳律を持つようになります。
自分たちの秩序を守るためには不正をも厭わないといった考えに陥ると言われます。
村社会の特徴は
・規律遵守
・上意下達
・伝統維持
・組織への忠誠心
・排他的
・名誉、権威が好き
僕が最も嫌いな風土です。
一般企業でもこうした風土の会社ってありますよね?
僕も、こういう会社を知っていますが、本当にビックリするような非常識を、何の疑いもなくやっています。
世間から落第点を押されて消滅するまで自分たちの在り方に気づかないかもしれません。
常に動的で挑戦し続ける風土を維持する
村社会に対する概念は「信頼社会」です。
商人の世界です。
特徴は
・自発的に合意する
・外部と積極的に交流する
・創意工夫
・健全に競い合う
・新奇を取り入れる
・自分の意見を述べる
(参考文献:「市場の論理 統治の論理」ジェイン・ジェイコブズ)
村社会が静的なのに対し随分と動的な集団です。
元気が良い企業の特徴だと思います。
しかし、企業も安定すると村社会に成り下がる危険性をはらんでいます。
よほど意識しないと陥ると思います。
僕が社内研修でお邪魔したある企業さんは非常に伝統ある老舗なのですが、常に新しい分野への挑戦を続けています。
同社では自分たちが大切にする思いをまとめたクレド的なものがありますが、その最初にこんな事が書かれています。
「もし、社長がお客様の都合よりも社内の都合を優先するようになったら、ウチには未来がないので他社へ転職できるよう支援をします」
一番最初に書かれているということは最も重く見ている考え方なのだと思います。
クレドは定期的に更新しますが、この部分は必ず全員に伝え直しているそうです。
人はそもそも善良です。
その善良な人々が、集団の作用により、善良であるがゆえに不正を働いたり、挑戦をしなくなったりするのだから、風土のチェックは欠かせないと考えます。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。
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