言われた事はキッチリとこなすが、主体性のない社員をどう扱うか?

主体性、自発性が大切という考えに、ほとんどのリーダーは異論はないと思います。
しかし、現実には「私は言われたことはキチンとやるので指示をしてください」という人もいます。
10人いれば1人や2人はいると思います。

ある会社ではパートさんに自発性を求めたら「私、パートなんですけど…」と言われたなんて社長もいます。

そういうスタッフをどう扱えば良いか?
今日はそんな事を考えたいと思います。

個々の社員を変えずにチームの在り方を変える

他人と過去は変えられないと言いますが、他人の価値観を変えるのは大変です。
30歳の人なら、30年間かけて作り上げたのだから1年や2年で変わるものじゃないと思います。

というか、指示ゼロ経営には「人を変える」という発想はありません。
どういうことか?

人の能力は凸凹です。
どんな人にも長所も短所もある。
凸凹が組み合わさって全体として最適な形になれば良いと考えるのです。

いや、そもそも長所だ短所だと評価することは指示ゼロ経営ではしません。
「Aさんは自発性は高いが、仕事が雑」
「Bさんは仕事は丁寧だが、指示をされないと動かない」
そんな評価自体が不要なのです。

AさんとBさんがコラボしたら最高の仕事が出来るのです。

指示ゼロ経営の基本的視点は「集団を観る」です。
タイトルに有る「言われた事はキッチリとこなすが、主体性のない社員をどう扱うか?」という課題ですが、どうも扱わないというのが指示ゼロ経営な発想です。
本人を変えようとしないのです。

Aさんは「細かな仕事が苦手だから、Bさんサポートして欲しいな」と頼めば良い。
Bさんは「自分から動く事は苦手だけど、Aさんのサポートはしっかりできる」と言えば良い。

この場合、Bさんは既に自発的だと考えるのです。
仮にBさんから提案がなかったとしても何ら問題はありません。
Aさんが頼めば良い。

逆に、Aさんが1人でやろうとしていたらBさんが声をかければ良い。
協働すれば良いと考えるのです。

全体として成果を上げるために、支え合いの必要性を理解すると自然と共創・協働が起こります。
そうすると、表題の悩みはなくなります。

本来、人間は共創が大好きな生き物である

少々厄介なのはBさんが、自発的にも動かないし、頼まれても「それ私がやる仕事ですか?」と拒否した場合です。

こういうタイプは、いて1割くらいだと思いますが、放っておくのが一番だと思います。
これは見捨てるわけではありません。

指示ゼロ経営では「共創を強制」はしません。
本人のスタンスは本人に決めてもらいます。
「私は、自分の仕事だけします」もありです。

ただ、全体として成果を上げることを「チームに対し」求めます。
そのために全員が達成することを求めます。

なので、Bさんのような人がいても、全員が達成しチームとして成果を上げれば放っておきます。
ただ、より大きな課題に直面した時は、このチーム力では達成できないと思います。

その場合、(メンバー皆んなが達成を望んでいるならば)共創が起きます。
共創しか方法はないからです。

Bさんからすれば、「力を貸して欲しい」と言われ、もし拒否すれば全体の足を引っ張ることになりますし仲間に入れないので、大抵は動きます。
最初はいやいやかもしれません。
しかし、人間は共創を楽しいと感じるようにできています。
なぜならば、人類は共創で試練を乗り越えてきたので、それを快と感じるようにできているからです。
関係欲求はすべての人が持っているし、集団の中で感謝される存在でありたいという欲求も強い。

だから最初はいやいやでも、やっていくうちに楽しくなり、やがて共創の輪に入るようになります。
これは、僕が現場で数多く確認した現象です。

□個々ではなく集団が最適になっているかを観る
□共創を強制しない
□全員が達成しチームとして成果を上げることを求める

リーダー個々ではなく全体の最適を観ることが大切だと考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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