優れたリーダーは人を無理やり動かそうとしない。動きたくなるような努力をする

馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない

経営をややこしくする一番の原因は、相手の気持ちを考えないことにあると考えています。
自分の都合だけで相手を動かそうとすること。
人は、納得して自ら「動きたい」と思った時に真の力を発揮します。
それ以外はイヤイヤで動きます。

「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」という金言がありますが、経営の達人は「飲みたい」と思ってもらえる努力をします。

経営者には権力があるので強引に動かすことができますが、それでは本当の力は引き出せません。
水を飲むフリをするだけです。

仮に社内では強制が効いてもお客様には通用しません。

経営には「感性」が欠かせないと考えています。
僕は、日本感性工学会に所属していて、一時期、感性を学ぶことにはまった時期があります。
感性の学術的な定義は難しいものですが、僕にも分かるように説明してくれた方がいました。

「人や大衆の気分を適切に察して、適切なアウトプットができる能力」

例えば、落ち込んでいる人に、元気になる言葉をかけられる人は感性豊かな人です。
ヒット商品を開発できる人もそう。

面白い事例があります。
今の生活者は売り込みを嫌います。
電話営業も嫌、訪問営業はもっと嫌、繁華街での客引きもウザい。
だから数多くのコンサルタントが売り込みをしないマーケティングを提唱しています。
しかし、よく考えずに鵜呑みにすることは危険だと思います。

相手の気分を察すれば、売り込んだ方が良い場合があります。
それがこちら。

なぜ売り込み(客引き)をした方が良いかお分かりでしょうか?
(勧誘されずに入る人の気持ちを察すると分かります)

相手の気持ちに合ったアウトプットが大切だと考えるのです。

相手の気持を察し、水が飲みたくなる環境を考える

社内のマネジメントも同じです。
社長には権力があるから、つい要求が多くなります。

逆らうと怖いから従いますが、本当に納得しているかは怪しいです。
納得していない場合、内発的なヤル気は生まれませんし、故に、創造的な仕事はできません。
知恵の時代の経営では致命的だと思います。

例えば、「主体性を持て」という社長がいます。
そう言われて持った人は、まったくもって主体的ではありません。
「嫌だ」と言う人の方が主体的です 笑

感性が豊かなリーダーはそんなことは言いません。
「主体性を持て」と強制されたら相手はどう感じるか?を理解しています。
なので主体的に動きたくなるような環境を整えます。

仕事の意義を語り、メンバーと対話をします。
対話を通じ、メンバーは主体的に動くことで自分の人生が豊かで価値あるものになることを知ります。
「水が飲みたい」と思った人は自ら行動を起こします。
その行動に対し、リーダーは感謝をします。
喜びを伝えます。
偉そうな評価はしません。すれば相手が自分の影響下に置かれることになる事を知っているからです。

これは力学的に非常に合理だと思います。
無理やり動かすのではなく、自らが勝手に動くのだから。

社内のメンバーでもお客様でも、思うように動いてくれない時は心を落ち着かせて「どうすれば水を飲みたいと思うだろうか?」と考えることが大切だと思います。

そうすれば自ずと環境が間違っていることに気付くと思います。
打つ手が見つかるはずです。

それでは今日も素敵な1日を!

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