状況の変化に応じすぐに変える、朝令暮改体質の集団をつくる
これだけ変化が激しい時代においては朝令暮改は当たり前です。
やり方の修正はもちろんのこと、時として、やる事そのものを変える決断をしななきゃいけないこともあると思います。
それが得意な集団があります。
一方で朝令暮改をすると大混乱する集団もある。
その違いはどこにあるのか?…今日は変化に強い集団が持っている体質について考えたいと思います。
なぜ、リーダーは朝令暮改ができないのか?
コロナに関しての政府の対応を見ていると、いかに意思決定が難しいかが分かります。
政府の対応の善し悪しはここでは語りませんが、僕は経営者として気付きがたくさんありました。
同じことが企業でも起きていると思います。
現在の労働法では「労使」の考え方に基づいています。
使う側=経営陣は意思決定をする。
労働者は、意思決定されたことを遂行する。
①決める→②実行する→③実行の結果を検証する→①に続く…
このサイクルを回しますが、①と③が経営陣の役割、②が労働者の役割とされています。
しかし、変化が激しい中でこのサイクルを回すと、労働者は常に変化に振り回されることになります。
そして不満を持つことになります。
「またリーダーが違うことを言い出した〜」と。
リーダーからすれば改善は当たり前、でも批判されます。
僕も何度も経験してきました。
やがてリーダーは批判を恐れるようになります。
すると自分を守ることを考えるようになる。
当然の結果です。
どの様に守るかというと、朝令暮改をせずに「あの時、決めたことは間違いじゃない」と言い張るようになるのです。
特に、決めてから、行動した時間と量が多ければ多いほど変えられなくなります。
「今さら戻れない」と。
課金式のスマホゲームに似ていると思います。
ある程度、課金して頑張ると「これだけ金をつぎ込んだのだから、もう後には引けない」となり、ズルズルとお金を投じてしまいます。
ギャンブルも同じですよね。
合理的に不条理を起こしてしまう、そんな危険性があるわけです。
集団参画型の組織に変容し、変化に即応する
この不条理を防ぐためには意思決定の在り方、やり方を変える必要があると考えます。
それは意思決定にメンバーが参画することです。
参画することでしか自分事にはならないからです。
方法はいくつかあります。
もしリーダーに何もアイデアがない場合、ゼロから意思決定に参画してもらうこと。
社員数30名ならば全員が一堂に会して対話する事が出来ますし、人数が多い場合全体の縮図をつくることで可能になると思います。
全体の縮図とは、全ての部署から代表選手に出てもらうということです。
リーダーに案がある場合、それを伝えた上で、皆んなでしっかりと対話すること。
伝えっぱなしをするからメンバーは他人事になると思うのです。
しかし、このスタイルでは「そんな事をしていたら時間がかかる」という意見もあります。
確かに多くの企業ではそうかもしれません。
しかし、冒頭の朝令暮改に強い組織では、さほど時間をかけずに意思決定をしています。
なぜ、それができるかというと、普段から「自分たちの在り方」について対話しているからです。
例えば、先日、ある飲食店の社長の話を聞く機会がありました。
そのお店では、緊急事態宣言が発出された瞬間に、全店休業を決めました。
社員の生命を守ることが最優先だからです。
この決定は社長のトップダウンかと思いきや、そうではありません。
普段から十分な対話をしていて優先すべきことが解っているので合意形成が早いのです。
文脈を共有しているからできることだと思います。
最優先が決まると、次の課題…雇用の死守、賃金の保障、それらを実現するための会社の業績をどうするかについて意識が集中できます。
この企業で、もし社員の生命を守ることが休業ではできないとなった場合でも、他の方法に変えるのは早いと思います。
日頃から意思決定に参画することに慣れているから。
□普段から、自分たちが大切にする事は何か?を対話している
□意思決定にメンバーが参画している
□変えるべきはアッサリと変える
こうした文化がある企業では、先行きが見えない中にあっても、その時点での最適な意思決定ができるのだと考えるのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。