ホワイト企業に共通する不思議なこと

先日、ホワイト企業大賞の選考委員会が行われました。
6時間30分、休憩なしでジックリと話し合い、脳から汗が吹き出しました。
どの企業さんも非常に素晴らしく、本当に悩みました。
結果は、年明けに発表になります。
楽しみにしていてください。

さて、選考をする中でホワイト企業に共通する要件が浮き彫りになりました。
今日の記事では、その要件、とても不思議な世界観について考えてみました。

ホワイト企業には仕事の創造主が多い

ホワイト企業大賞では、ホワイト企業に対する明確なモノサシは設定していません。
定量化できるものではないし、その形は無数にあるからです。
しかし、働く人の幸福を目指すというベースがあります。

そもそも経済もビジネスも、人が幸せに生きるために開発されたものです。
ところが幸福のための経営数字であるにも関わらず、いつの間にか手段である数字の最大化が目的になるという事態が発生しています。

そこには「数字を上げないと飢える」という漠然とした強迫観念があるからですが、ホワイト企業大賞にエントリーされる企業の中には、その恐れを超えた経営を実践している会社がありました。

働く人の幸福を追求したら、結果として業績が良い、そんな因果関係があるのです。
これは言うは易く行うは難しだと思います。
業績のために働く人の幸福を…そう考えるのが通常だと思うのですが、まったく逆の因果関係で経営をしている会社がこの世にあるのです。

では働く人の幸福とは一体、どんなものでしょうか?
これには単一解はないのですが、ホワイト企業の多くに見られる傾向があります。
それは、仕事そのものから喜びを感じられるということです。

その理由は、自分で決めれることが多いということ。
上から言われたことに従うのではなく、自ら仕事の創造主となれる、そんな働き方が共通して見受けられました。

また、仕事の創造を個人だけでなくチームで対応している会社では、仲間への感謝が強く、より幸福を感じられることも分かりました。

これが、結果的に業績につながる時代なのだと考えます。

仕事そのものから悦びを感じると凄い創造性が生まれる

今の時代は仕事量が業績に直結はしません。
生活者の欲求が高度で抽象的になっていますので、相当な知恵が求められます。
創造性の時代です。

以前に、田坂 広志氏が自身のブログで「創造性は結果である」と書いていました。
創造性は狙って得られるものではなく、結果として訪れるものだということです。
これはスポーツでいう「ゾーン」に似ていると思います。
時間感覚が消失した深い集中状態は、「どうすればなれるのか?」と意識すると入れませんよね。
気付いたら入っていた…そんな領域です。

純粋に物事に集中し愉しんでいる時に訪れるものだと思います。

つまり、ホワイト企業が行っている、「仕事そのものを愉しむ」ということと同じなのです。

ホワイト企業にはノルマなどの強制的施策はありません。
ノルマがあると意識は未来に飛んでしまいます。
(達成できなかったらどうしよう、となり今に集中できない)

キャッシュを最大化するのではなく働く人が仕事から悦びを感じられる環境にあって、初めて今に集中できるのだと思います。

それが結果的に創造性を生み出し、さらに結果的に業績を生んでいる、そんな因果関係を見たのです。

かと言って、「人に役に立つ事をしていれば利益は後から付いてくる」といったキレイゴトではありません。
ビジネスモデルなどの仕組みはしっかりしています。
しっかりと構築されているからこそ、働く人たちが今に集中できるのだと思います。

ビジネスモデルをつくる時は未来を考える、日々の仕事は今に集中する、そんなやり方なのだと思いました。

ビジネスの目的を働く人の幸福に置く。
顧客や社会に喜ばれる仕事をする。
仕事の主となり仕事そのものから悦びが得られる。

僕が感じたことは概ねそんなことです。

目指してみる価値がある世界だと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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