指示ゼロ社長になると日に日にアホっぽくなっていく

自律型組織を導入する本当の動機

指示ゼロ経営の導入に成功すると、社長にある変化が訪れます。
それは以前(導入前)のような迫力がなくなることです。
ある会社で、導入から1年後に社長にお会いしたら別人のようにオーラが変わっていたことがありました。

どうしてこういう事が起きるのかというと、リーダーが頼れると社員は社長に依存します。
指示ゼロになると社員が自分たちで課題を解決するようになるので、社長は「オレがー!」がなくなり肩から力が抜けギラギラした雰囲気が消えるのです。

そうなるとリーダーの限界を超えた解を集団が導き出すのでイノベーションが起きます。

しかし、この状態にはなかなか到達しません。
今日は、到達者に共通するプロセスを考えてみたいと思います。

指示ゼロ経営導入の真の動機を伝えること

物事は何をどうやるか?よりも、まず「なぜやるか?」が重要だと思います。
意義を感じないことに人は能動的にはならないからです。

では、なぜ指示ゼロ経営を始めとする自律型集団をやるのでしょうか?
「時代の変化のスピードが早いから」…その通りだと思う。
「生活者の欲求が高度になってきているから」…間違いない。
「現場のことは現場の社員が一番詳しいから」…真実です。

色んな理由があり、どれも正しいと思います。

が、しかし、これを社員に伝えている時の社長は、どこか評論家みたいというか偉そうなのです。

本当の理由は、「自分1人ではできなから」ではないでしょうか?
「自分の力では限界だから」ではないでしょうか?

自分には限界がある、と負けを認める

指示ゼロ経営は権限移譲とは大きく異なります。
権限移譲は、どこか上から目線ですよね。
「自分にもできるが任せる」というニュアンスがあります。
勿論、悪いわけではない。

でも、もっと部下が主体的になる関係性があると思うのです。

「指示された」
「任された」
「頼られた」

僕は、経験上、この中で一番、自発的なモチベーションと創造性を発揮するのは「頼られた」だと考えています。
※ただし、その人の能力をあまりに超えた事を頼むと力は発揮されません。

これは、つまり「負けを認める」ということだと思うのです。

とても勇気が要ることだと思いますが、これを開示できた瞬間に社員さんの心が変わります。
実際に、これを聞いた社員にインタビューをしましたが、一様に「嬉しかった」と言います。
決して馬鹿にされることはありません。

ただ、端から見ると迫力がなく時にアホっぽく映るのです。

最後にこんな話を。

日露戦争で満州軍総司令官を務めた大山巌という人は、実にとぼけたリーダーを演じていたそうです。
参謀部にふらっと来て、「今日は大砲の音がするが、どこかで戦をやってるのかい?」なんて尋ねたという逸話があるくらいです。

いかがでしょうか?
指示ゼロ社長は、日に日にアホに見えてくるのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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